月: 2020年10月

これどこの?:トイレ噺(18)

 下の絵は、古代ローマのトイレ、具体的にはイギリスのハドリアヌス長城の駐留軍(正確には補助軍)陣地に設置された水洗(流水型)トイレの復元想像図です。

Housesteads遺跡で発掘されたトイレと復元想像図

 こんな絵を見た後で次の写真見たら、古代ローマのだと思いますよね。

 でも違うんです。上の2つの写真はアウシュビッツの強制収容所のトイレです。どうやら水洗式ではなかったようです。ある情報では10秒間で用を足すことが求められていたそうですが、むしろ私は落とし紙になに使っていたのか気になります(ご存知の方、教えて下さい:k-toyota@ca2.so-net.ne.jp)。

 反論が出るかもなので、こういう水洗式が設置されていたすばらしい強制収容所もありました(皮肉です、念のため)、と指摘しておきます。

 しかしこれを知ったあとで、古代ローマの公衆トイレについての俗説(開けっぴろげで、一種の社交場でした、なんて)を信じることできるでしょうか。

【補遺】https://www.youtube.com/watch?v=hR2SR-2Pows:不潔なので監視も甘くなり、赤ちゃんの隠し場所となり43名助かった、とガイドさんが話してますが、一日2度しか行けない規則だったそうなのだが、赤ちゃんは乳を求めて泣かなかったのだろうか。なんだか作り話みたいな気がする。

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世界キリスト教情報第1550信:2020/10/5

= 目 次 =
▼教皇、アッシジを訪問、聖フランシスコの墓前で新回勅に署名
▼教皇が新回勅発表、「パンデミックが自由市場の失敗を証明した」と訴え
▼教皇はポンペオ米国務長官との会談しない、とバチカン
▼中国がオンライン書店経営者を「違法営業」で禁錮7年と罰金
▼東西もイスラム教徒も「われわれ皆国民」=独統一30年記念式典
▼テンプルトン賞はフランシス・コリンズ氏に、分裂社会で「調和」呼び掛け
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「足腰年齢」改善にむけて:痴呆への一里塚(36)

 10月になって体組成計を購入した。どうみても肥満だとは分かっていたが、私の足腰年齢が80歳と表示され、これはショックだった。でも若干ハードな散歩も始めて2か月になるのになぜだろう、まあもう少ししたら数字は改善されるだろうと「たか」をくくっていたのだが、未だ不動の「80歳」(といっても購入3日目に過ぎないが (^^ゞ)。「体内年齢」は67歳くらいなのに、なぜだろうと思っていたら、以下が届いて拝読。石井直方「テレワークと筋肉の衰え」『UP』576,2020/10, pp.1-6。著者は筋肉生理学を30年間研究テーマのひとつとしてきたそうだが、「筋肉は鍛えれば太く強くなり、使わなければ細く弱くなる。昔から知られる、その仕組みは完全に解明されているわけではない」(p.2) 。肝心なことは何も分かっていない、研究とはやっぱりなにごとも一歩入るとそんなものなのだろうが。

 問題の筋肉は、大腿四頭筋と大殿筋らしいが、これは直立二足歩行の日常生活の動きをする場合に欠くべからざるもので、こういった重要な筋肉ほど、「確証はないが」「使わないと成長が即下方調整される」らしい。私の足腰年齢の老化もたぶんそれなのだろうと、これは速効で理解できた。

 その鍛え直しの効果的トレーニングもあるそうだが、ものぐさな私のことなので、無策で歩くことしかしないだろうが、それも継続している内になんとかな年齢相応になれば、と思っている。のだが、さて。

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535/6年の天変地異:はじめに

 我孫子での読書会の参加者から、後535年に全世界を襲った天変地異について背中を押された。中国や日本もその記録あるかも、いやあるはずです、と。6世紀となると私の研究射程圏から大幅にはずれるのだが、押されたからには挑戦せざるをえない。それにこれまで目をつぶってきてはいたのだが、ローマ帝国の衰退を考える上で、2世紀末から3世紀半ばに地中海世界を襲った天然痘と思われる疫病をその1とするなら、第二のそれが、それだったと思われるからである(第三は、西欧中世の黒死病となるだろう)。

 私の山勘での予想では、第1の破綻でローマ宗教からキリスト教の台頭、第2でムスリム台頭、第3でプロテスタントの台頭、となる。しかし1と3はともかく、2のムスリムについてはド素人なので、なぜムスリムがとすぐに疑問が浮かんでしまう。これが目下最大の悩みどころである。

 ブログのどこかに書いた記憶があるが、地球上の生物はごく稀にではあるが、文字通り絶滅の危機に直面してきた(https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/091600540/)。その結果、哺乳類および人類が現在地球上での覇者となっているわけだが、人類の歴史は今のところせいぜい500万年くらいで、1億6500万年に及んだ恐竜時代とは比べものにならないことは、よくよく認識しておいたほうがいい。次の一手で跡形もなく消滅する可能性もあるのだし、実際、これまで死滅の縁に追い込まれたのも1、2回ではないからだ。

 その一つが、紀元後6世紀、皇帝ユスティニアヌスの時代にあった、ということになっている。普通にはそれは「疫病」とされているが、残存している文書史料によると、どうやら疫病にとどまらず、いわゆる「核の冬」の特徴に酷似していた。そうなると当時原水爆はないので、想定されるシナリオは次の3つ。小惑星衝突、彗星衝突、そして火山噴火。その気になって、3年前に強制スリム化された書棚をチェックすると、それでも以下があった。デイヴィッド・キーズ(畔上司訳)『西暦535年の大噴火:人類滅亡の危機をどう切り抜けたか』文藝春秋、2000年(原著: David Keys,Catastrophe: An Investigation into the Origins of the Modern WorldBallantine Books,  2000);石弘之『歴史を変えた火山噴火:自然災害の環境史』刀水書房、2012年;河合潤『西暦536年の謎の大噴火と地球寒冷期の到来 』ディスカヴァー・トゥエンティワン、2014年。

 といった具合で表題を見れば、読書会のテキスト(ブライアン・ウォード・パーキンズ(南雲泰輔訳)『ローマ帝国の崩壊:文明が終わるということ』白水社、2014年)が小惑星の衝突とする主張と異なって、大勢は火山噴火となっているわけで、まあその線を素人ながら私も納得するしかない。あと関連参照史料で書棚に『日本書紀』はあったが、中国の『南史』『北史』は適当な邦訳は我が図書室にもない感じだ。O澤先生にでも聞こうかな。

 

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発達障害は才能である!:飛耳長目(62)

 完璧な人間などいない。皆、多少でこぼこなのだ。しかし愚民によって許容範囲から逸出していると考えられた場合、不幸にも社会的な抹殺対象となったりする。

 孫娘が大学受験である。昔からデコ人形書くのが得意で、大学もそれ系を受けるのだが、推薦には選ばれなかったので、今面接受験の申込み準備をしている。まあ推薦なんて本場アメリカと比べると我が国では没個性の最たるもののような気がしないでもないが、平均圧の強い我が国では、親としては普通であってほしいと思うのがそれこそ普通なのだろうが、「おたく」に類する職能がそんなことでは先がない。ダ・ヴィンチほどでなくとも特異才能の芽がちょっぴりでもあってほしい、とにかく普通でなくてほしい。そんなこと思っていた時、以下を読んだ。

 午堂登紀雄「『発達障害』はこれからの日本で武器になる。ASD児を育てる私が確信した理由」(https://www.mag2.com/p/money/969968?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000204_sun&utm_campaign=mag_9999_1004&trflg=1)。

 私は映画「フォレスト・ガンプ」(1994年公開・アメリカ映画)が大好きだ。ケーブルテレビで再放送されていると、喜んで再見してしまう。だからアメリカが好きだとならないのは、彼をアメリカ人の同級生がやっぱりいじめているからだ。我が国と同じなのだから、好きになる必要はない。しかし、知能指数IQ75の彼でも、人より走力だけは滅法強いその一点で、人生が開けてゆくところは実にアメリカ的で、馬鹿らしいほどすがすがしい。生き方、選択肢が多いのはいいことだ。残念ながら我が愛する祖国ではこうはいかないのです、これまでも、そしてたぶんこれからも。

 癌で死にゆく母がフォレストに最期に遺した言葉「神がお前に与えたもので、ベストを尽くすのよ」は身に浸みる。

 ただし、舞台となっているアラバマ州は南部で、それがこの映画にも大きな影を落としていることに後から気付かされた。彼の名前、南部連合、黒人差別などのほのめかし等。

 今ちょうど、ケーブルテレビでまた「結婚できない男」をやっている。だいぶ茶化した喜劇仕立ての内容だが、普通にできない存在が巻き起こす騒動が日本的に描かれている。小型のブルドッグみたいな、なんという種類か私は知らないが、主人公のお隣の部屋の犬が救いである。

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神様のサプライズ?:研究書のダウン・ロード

 今読んでいるキリスト教殉教者伝の読書会のためテキストをまとめていて気になった史料があって、ググっていたら、研究書が最近になって2つ出版されていることが分かった。

 ただ、私の研究分野の外縁部なので、即発注することはせず、まずは国内大学図書館で検索をかけてみると、幸いなことに我が図書室代わりに、2018年刊の一つは所蔵されていた(英語)。これの価格は170ドル。2014年刊のもう一つは独語で上下二巻らしいのだが、国内未所蔵だった。その場合の定石でAmazon.deで調べたら、すでに版切れとなっていた。それで念のためBookfinderで探すと第二巻のみが古書で出ていて、これが驚いたことに10万円の値がついていた! こりゃ年金生活者には手がでないや、ま、必要なのはどうせ数ページだし、と負け惜しみをいいながら、それでも諦め悪くググっているうち(実はこれまでの体験で、諦めるのはまだ早いのです)、なんと第二巻がダウン・ロードできるサイトにぶつかった。今はやりのデジタル版なんだろうな、ま、クリックしたら800ユーロなんてカード決済の請求が出てくるのだろうが、そこでやめればいい、念のため見ておこうと試しにクリックしてみたら、何の前触れもなくダウン・ロードが開始され・・・。おいおい、こりゃどうしたことだ、というわけで、よもやもしもと欲をこいて第一巻のデータもググってみると(こっちはとりあえず今の私には不用だったが)、これもあっけなく入手完了。というわけで合計1千ページ分の、おそらく少なくとも10数万円はするであろう書籍が無料で手に入ってしまったのであ〜る。

 こんなことを神様が許すはずはない、版権切れしていない本だし、いずれ請求がくるかもと、戦々恐々としてしばらくはメールチェックすることになるだろう。しっかし無料とはどういうしくみなのか、理解できていない私である。

 以前、現職時代に色々の人を煩わして、イタリアから50万円もする3巻本を入手したことあったが(出版社はイタリア以外では販売しない限定出版だとおっしゃっていて、在住者への代理購入のお願い、それの日本への持ち出し、等々)、なんと後日それに掲載されていた論文がインターネットをググれば載っていたことがあり(勿論、無料)、それに偶然気付いたときは、なんなんだー50万返せ〜と一人で毒づいたものだったが、その後、さすがに肝心の写真図版は未掲載だったことがわかり、多少溜飲が下がったことがあった。

 実は数日前にも、研究雑誌で似たような体験していて、学会会員でもないのに、私の主要研究がらみの論文を数点入手している。コピーが山積みになるわけであるが、そんな風に渉猟する中で自分の感性と親近性があってリンクするものと邂逅する僥倖に遭遇できるのだ。まあ山勘だが2,30の論文集めて一本くらいの確率になるだろうか。だからこの無駄骨作業、辞められないのだ。

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体重計買い換えました:痴呆への一里塚(35)

 テレビの通販で、色々わかるという触れ込みのTANI○A製「体組成計」を、安くなかったけど購入した。自分としては運動を2か月近くやっているのに、目に見える成果(特に体重)が現れないから、どうなっているのか、とその気になったのである。

 届いてすぐに乗ってみたら、これまでの体重計よりも1Kg多く表示されて、まず軽いショックを受ける。これまでのが不正確だっただけのことだろうが。

 今回のは、素足で乗るだけで、体重・BMI・体脂肪率・内臓脂肪・筋肉量・体型判定・基礎代謝・体内年齢・カルシウム推奨量・骨量・足腰年齢、の10項目が判定される。ちなみに、BMIが肥満度2度、体脂肪率が軽肥満、内臓脂肪が過剰、なのはまあ予想通りだったが、一番のショックは足腰年齢が80歳と出たことだ—。これはひどい(ま、運動不足が長かったのは確かだが。それにしても数字がひどい。なぜだぁ?)。標準だったのは基礎代謝、カルシウム推奨量、骨量くらいで、標準以上なのは筋肉量、それに体内年齢が67歳だったことくらい。これはいずれも意外だったが、ちょっと救われた気分。

 ちなみに、嫁さんはほとんど標準(体内年齢65歳)。足腰年齢だけ75歳。毎日あれだけ院内を駆けずり回って歩いてと、やっぱりこの数字には不満そうだった。

 そうこうしていると、昨日だっけに、カード会社から請求がきて、たまったポイントが思いのほか多かったので、刺激されて品物カタログを見ていたら、偶然お腹周りを鍛える器具が目につき、かねて嫁さんがテレビ通販でそれに食指を伸ばしていたけど、僕が「どうせ無駄」と止めさせたことを思い出した。ま、73歳と72歳でどうなるのだ、無駄だろうけどと思いつつ、それを発注したのであ〜る。さてどうなることやら。

 以上と無関係だが(否、深層心理的には関係あると思う)、寒くなってきたのでの衣替えついでに、私の洋服ダンスの大掃除して背広やズボンをやっと整理した。今をさる47年前の結婚式用に母があつらえてくれた背広なんか、もう腹回りで着れないのにこれまで無駄にぶら下げていたのだ。痩せたらこのズボンはけるんだけどなあなどと思いながらの断捨離だったが、断捨離に厳しい嫁さん、喜んだ振りして、本音ではまだまだ全然不十分といった顔つきでして、はい。

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これがトランプの最終兵器だったら面白い(^^):飛耳長目(61)

 お友達の安倍くんのとんずら戦略の奇策に習ったわけではないだろうが。https://mainichi.jp/articles/20201002/k00/00m/030/125000c?cx_fm=mailsokuho&cx_ml=article

 これが自作自演のフェイクでなく本当だったら「天網恢々疎にして漏らさず」と嘯(うそぶ)きたい私がいる。

【追伸】私のボディマス指数(BMI)は30.8だが、トランプはあの図体で30.4なのはまずまずか。イギリスのジョンソンは36.17で、さもありなん。https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20201002-00201234/

【追伸その2】こっちがホントに最終兵器かも。「トランプ辞任、ペンス暫定大統領が「恩赦」という最後のシナリオ」 https://miu.ismedia.jp/r/c.do?1nj9_kmC_2uJ_sds

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