月: 2021年8月

こういう意見もある:新型コロナ医療崩壊の原因は開業医の不作為だ

 メモ代わりに使っているEvernoteがなぜか起動できず(これまで使えていたのだから広島のパソコンの不調なのだろうか)、ここにメモっておく。

 東京医師会の会長が今さら、言いだしている。今頃言いだして、これまで何してたのだ。

 2021/8/27 大崎明子(https://toyokeizai.net/articles/-/450974)。めずらしく嫁さんと意見が一致した。ま、その具体的内容はちがっているかもだが。医師会がまともに機能していない、と思うわけでアル。もちろん個々の良心的な開業医さんをとやかく言っているわけではないので、誤解なきように。それにしても、病床もっていない開業医と看護師を総動員して、なんでさっさと野戦病院型式を構築しないのか、理解できないのは私だけなのだろうか。日本は公立病院が少ないのだから、今回のような疫病蔓延時には特別態勢をとる必要があるのに、その危機感ゼロとはすでにどうしようもない認知症国家である。

 昨晩はどういうものか、冷房なしで寝ることできた。今朝もどういうものかヒンヤリとした風情だった(9時くらいまでかな:心なしか練馬より空気が乾燥しているような。とにかく時折吹いて室内に入ってくる風が清々しいのだ。ちょいイタリア風)。でもそのうちガンガン太陽が照ってきて、昼前にご近所での買い物に行って帰るだけで疲労困憊であった。入った先の店内の冷房が心地よかった。そういえば昨日のこれまた炎天下での草取りも、10分やってると続かず、適当に間を置いてやってみて、まあ空き家にみえないくらいには草取りできた、かな。何ごとによらず根気が続かない。体力が落ちている、体重は増えている。最近感じている老化現象である。

 一人で実家にいると、あれでも全体にマイペースで心静かに集中できるせいか、苦手なラテン語訳での単語レベルの統一訳をせっせとやったせいか(これはそんなに自覚はないのだが)、このところやたら視力が落ちてきているような(こっちのほうは明確に自覚あり)。

 帰省のとき、ポイントが溜まっていたのでグリーン車に乗った。新コロナ以前はいつもがら空きだったが、やっぱりいつもより乗客は多くて、みな考えることは同じなんだなあ、と。グリーン車での特権はお手ふきと雑誌二冊がおいてあることだが、そこで『月刊ひととき』を見て、あれれ、と。実はウェブをググっている内にその今月号が日本馬特集していることを知り、たしか500円+郵送料でちょっと前わざわざ購入していたのだが、届いたものをみてこの雑誌なぜか巻末に日本地図やJRの時間表なんかついていて、なんで、と思っていたのだ。グリーン車での配布には気づかなかった。もちろんもう一つの『Wedge』(今月は昭和史論特集だった)ともども車内の無料配布ありがたく持ち帰った。しっかし、あれをネットで売りに出す人がいるんだ。

【追記1】帰京時は当然普通の指定席に座ったのだが、なんと行きのグリーン車よりも乗客はまばらだった。これじゃあJRはたまらんだろうな。

 また、新コロナ以前だと、私にはとても美味に感じられて毎回食していた広島駅のホーム上の立ち食いうどん屋が本格的に姿を消し、新たに弁当コーナーになっていたが、その代わりなのだろう、ホーム下の待合室の隣りにうどん屋の店舗(立ち食いではないようだ)はできていたが、例のごとく緊急事態宣言のため9月中旬までお休みの表示が。みやげ物屋などは再開していたが。いつになったら食せるようになるのやら。

【追記2】2021/9/19:ようやく出てきた記事:「東京の「野戦病院」ようやく稼働でも尽きない悩み:9月上旬からプレハブ施設37床で初の治療を開始」(https://toyokeizai.net/articles/-/456121?utm_source=morning-mail&utm_medium=email&utm_campaign=2021-09-19&mkt_tok=OTA3LUpLVC0yNTEAAAF_mfB9sXlMmLHBmniP7xJcJEizvO7-BaPo2xFL45Z3rdmStcPwYZkYmw8Bm576ihaMZ_jSi2qrVoKuvi3iYlV_Qlh7XKjStTP8PAzYs_nnw6na1g)。それにしたところでたった37床とは。東京医師会と話はできているとしているが、どうも眉唾のような気がする。

Filed under: ブログ

イタリア昨今:アリタリアのこと

 イタリア在住の卒業生からメールがあった。いよいよ10月からアリタリアの直行便が本当になくなるので、これを最後と里帰りすることにしたが、まあ実家に2週間滞在して終わりなんですけど、と。無事2週間で帰国するためには、日本で陽性反応が出ないように祈るしかない。

 ずっと経営難だったアリタリアが国有化されて、経営規模縮小となると日本からの直行便は真っ先に切られても仕方がないとは思う。以前あったイベリア航空なんかもさっさとなくなってしまったし。

 しかし若干割高ではあったが、直行便はありがたかった。昨今の老化を考えるとこれからの渡伊では当然利用を前提としていたのだが。

 それで気になってググってみたが、まだ会社からの公式発表はないようだが、代わりにいかにもイタリア的な情報が入ってきた。https://toyokeizai.net/articles/-/449416

 あのイタリア人が人混みではマスクするようになった、というのは何となく納得したのだが、店内での食事などのチェックなどは日本と比べると、万事おおらかなイタリアのほうがかなりきつめで、だが手続きは至極簡単なようで(もちろん日本同様のどたばたはあるが)、へ〜、という感じで読んでいくと、「偽のグリーンパスを販売する闇サイトまである」し(https://www.afpbb.com/articles/-/3361075)、他人のIDカード提示で摘発例も出てきてるようで、このあたり、相も変わらず官憲と庶民のイタチごっこで、いかにもの国民性は健在のようだ。

 この記事の最後の閉め言葉は「ちなみに観光客もグリーンパスがなければレストランにも美術館にも入れないのは同じなので、これからイタリア旅行を考えている人はご注意を」だった。でも、日本製のグリーンパス、あちらで通用するのだろうか。そもそもグリーンパスあったっけ。ありました:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_certificate.html。けどやっぱし5ケ国にしか通用しないようだ(https://www.asahi.com/articles/ASP7V72THP7VUTFK00R.html)。ま、イタリアが入っているのはよかった。

Filed under: ブログ

講座「古代ローマとワイン」

 坂本鉄男先生のその後が気になって、日伊協会のHPに行ってみたが、なんの表示もない。

 と、右横の帯に気になる表示が。「イタリアワイン文化講座 第3章 古代ローマとワイン」。こりゃ見逃せないとpdfを降ろしてみる。https://www.aigtokyo.or.jp/wp/wp-content/uploads/2021/07/wine.pdf

 なんと、この10月から来年の3月まで6か月、それぞれ教材ワインボトル6本なり12本付きで・・・、値段みると前者が6万円台とやっぱりかかる。なぜかなのに12本でも2万円高いだけ、ま〜1本3000円レベルということか(受講料だけでも4万円半ば)。講師陣もワイン栽培業者さんで、歴史家ではないようで、それでも一応は古代ローマがらみの紹介が書かれてはいるが・・・。

 19世紀後半に北アメリカから持ち込まれたフィロキセラによって、西欧のブドウの木は一度絶滅してしまったことになっているわけなので(http://ministryofwine.jp/pickup/2362.html)、古代ローマのワインと言われてもね、と一応は茶々入れながら、さてどうしたものかと、年金生活者は思案しちゃっうのであった・・・。

Filed under: ブログ

世界キリスト教情報第1596信:2021/8/23

= 目 次 =
▼ハイチ地震=推定マグニチュード7・2、死者1400人超す
▼アフガニスタン=現地の教会系組織「対話の糸口探す必要」
▼パラリンピックにアフガン選手不参加
▼「律法の基礎的価値」をテーマに、教皇一般謁見
▼カトリック保守派の米枢機卿、コロナで入院、人工呼吸器装着
▼共産党100周年祝賀を要請される中国のカトリック者
▼スイスの同性婚反対派 「合法化は新たに不平等を生む」
▼カリフォルニア州北部の森林火災、州史上2番目の規模に

今回は、中国の近況を。

◎共産党100周年祝賀を要請される中国のカトリック者

【CJC】ローマ発カトリック通信(CNA)は、中国全土の天主教愛国会(カトリック)が、今年、中国共産党100周年祝賀実施を要請された、と中国教会を20年もカバーしてきた「アジア・ニュース」編集長のベルナルド・セルヴェレッラ神父が語った、と伝えている。

 「信仰共同体、教区はどこも、会議、実行、参観から共産党関連の史跡巡礼まで行ってきた」と同神父。
 
 北京のヨセフ・リ・シャン司教は、共産党100周年を記念する習近平主席演説のため、司教館で「視聴会」を行った。習主席演説の「精神」をどう理解するかというシンポジウムには、司祭、信徒40人が参加した。天主教愛国会のウエブサイトによると、河北省のカトリック者が旗掲揚式と党祝福式を行った。

 しかし、中国のカトリック者にとって大事な聖母巡礼地、上海市松江区のシェシャン大聖堂への巡礼は禁止されている。
 
 聖座(バチカン)が2018年9月に中国当局と暫定協定を結んでから約3年間、地下カトリック教徒には、政府公認の天主教愛国会の指導下にある人たちとは、状況が大きく変化した。

 「女子修道院が破壊されたり、教会が閉鎖された。司祭が小教区から追い出されたり、神学を学ぶことを禁じられた神学生がいたり...さらに逮捕されたり毎日24時間軟禁されている司教もいる」と同神父。

 一方、公認教会は、礼拝の自由度は比較的高いものの、中国のナショナリズムや党への愛を説く一方で、カトリックの教理の一部を検閲する、と圧力をかけられるなどの問題に直面している。

 中国で合法的に布教しようとする司祭は、中国共産党を支持するとの誓約書に署名する必要がある。また18歳以下の未成年者は入場できない公認礼拝所でだけ布教が可能。

 「そして何よりも、共産党の栄光を讃えなければならない」とセルヴェレッラ神父は語っている。□
Filed under: ブログ

「感染症に斃れた日本軍兵士」を見た

 今年はなぜか戦争関係のドキュメンタリーで力作が放映・再放映されて、たくさん見たような気がする(https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=30199)。

 2021/8/22 NHK BS1スペシャルで上記の副題「マラリア・知られざる日米の攻防」を見た。見終わったと思ったらまた同じ題名で、副題が「追跡・防疫給水部2万5千人」が連続して始まっていた。明日に向けての急ぎの仕事があったのだが、とうとう全部見た。マラリア、デング熱、破傷風への対策でも米軍に負けていた,という内容だった。風土病への備えなしに兵士を南方に送り、もちろん陸軍は防疫給水部で対応しようとし、人体実験で悪名高い731部隊開発の石井式濾水機なんかを投入はしていたが、そんなことで十分ではなく、当たり前のことだが送っても送っても兵力は疫病で4分の1に減じてしまう。それが皇軍兵士6割以上が餓死・戦病死するという惨状の原因だったわけだ。もちろん現場では問題の重要性が分かっていたが、本国ではだからといって効果的な対応をとらなかった、というくだりがあって、新型コロナでも同じような無策でうち過ごし、ナーナーのうちに終熄して、ああよかったで終わりたがっている現況をどうしても思い出してしまった。

 たとえば、前半のマラリアの特効薬キニーネであるが、当時それを世界的に独占的に生産していたインドネシアを日本軍が抑えてしまったので、米英軍などは困ったわけだが、大急ぎで新薬開発に向かって成功、他方、日本軍はといえば資源はあっても補給がうまくいかず兵士はばたばた罹患して斃れるというお粗末さ。後半での、破傷風にしても北里柴三郎が治療法をドイツ留学中に世界に先駆けて開発していた(1890年)にもかかわらず、だが保管などに問題があってそれが未解決のうち、やはり補給がネックとなった他方で、米軍はワクチン開発に成功して、大戦中の破傷風発生は12件のみだった由。(以下を見て驚いた。日本にゴム生産地を押さえられたアメリは、国民にゴムの供出を求めたと。あちらも同様だったのだ:「カラーでよみがえるアメリカ 1940年代」https://www.dailymotion.com/video/x6e0scl)

 これは「八木・宇田アンテナ」(1921年)開発の重要性を感知できなかった我が愛すべき祖国の体たらくに通じるものがある(「あろうことか、1941(昭和16)年には「重要な発明と認めがたい」という理由で商工省から特許期限の延長を却下されている」:https://emira-t.jp/eq/9642/)。

 こういった問題は言い古された話ではあるが、官僚的な縦割り構造の弊害で、一部の優れた研究者がいたところで、国家レベルの動きに連動しないヤマト民族の通弊の現れであり、あれから1世紀過ぎても状況はまったく変わっていないどころか、感染症対策は、保健所制度の縮小、ワクチン開発軽視等で、むしろ後退している現状があるわけである。なにしろ、新型コロナウイルス感染拡大からすでに1年半経過しているにもかかわらず、8月に入ると1日の新規感染者が過去最多を更新する日が全国で相次ぎ、状況は改善されるどころか悪化しているのだから。私は、保健所を増設せよといっているのではなく、危機的状況に柔軟に対応するシステムが構築できない民族性を問題としているのだが・・・。「こんな前例のない危機に国は無力ですから、国民の皆さんはどうか自力で対処してください」という論理、これは戦災被害者への責任放棄論法と瓜二つにみえてしまう。

佐賀県武雄市出身で、1944年 6月に46歳で臨時召集され、第49師団防疫給水部隊に所属しビルマ(現ミャンマー)戦線に派遣された故井手貞一さん(1995年、98歳で死去)の手記。彼は、現地では泥水をろ過し、第一線に届ける仕事を担った。翌45年8月に英国軍の捕虜になり、復員した。手記では戦況が悪化する中、補給も追いつかず、栄養失調やマラリアで倒れる人々を目の当たりにし、命からがら退却する姿を描いた。こうした状況をジャングルでは竹の皮に、捕虜になってからは缶詰のラベルの裏にメモした。

  公開された手記は、自身が「終戦三十三回忌」の77年にメモに基づいてまとめたもので、B4判15ページ。自由に恵まれ、戦争を知らない若い人が「戦争を繰り返すような間違いが無いように」読んでほしいと、残そうとした理由もつづった。早く本になるかデジタル化してほしい。

 「『歩けません。早く殺して下さい。そのピストルで射って下さい。敵に追いつかれると恥めにあいますから。どうぞお願いします』と男装の女性(従軍看護婦)は悲しい声で合掌するものもある。・・・何の罰(罪)もない味方の女性を殺生する勇気も胆力もなく・・・」(https://www.nishinippon.co.jp/image/245981/)

【後日記】2022/3/23:偶然読んだ以下の本で、遊軍の兵士が「殺してください」という同じ文言に出会った。こっちはガダルカナルとインパールの両作戦に参加して辛酸を舐めた体験記であるが。

 高崎伝『最悪の戦場に奇蹟はなかった:ガダルカナル、インパール戦記』光人社NF文庫、2007年(光人社、1974年)。若干書き手に問題ある感じがプンプン臭う。古参兵が生き残ったのには相当に裏があるように感じる(ある場合には、著者はそれを隠そうともしてない。そこから察するに、書かなかったことがかなりあるようだ)。要注意でよむべきであろう。

 

Filed under: ブログ

半ミイラ化遺骸、ポンペイより出土

 2021/8/17公表:ポンペイ遺跡区画の東端の「サルノ門」Porta Sarno外の、ヴェスヴィオ周遊鉄道の先にあるネクロポリスを調査中の発掘隊が、「M.Venerius Secundio」の墓銘碑を有する中規模の石造墓の奥から、一体の遺骸を発見した。骨格分析から60歳以上の男性と判明したが、当時火葬が普通のところ、半ミイラ化した土葬遺骸の出土はめずらしい。ポンペイ埋没の数十年以前の埋葬。

このネクロポリスは遺跡区画東端のさらに東で、写真の撮影地点あたりの新発掘で出土した:現在未公開
、件の墳墓                  、墓標

 銘文は私の読み取りだと以下のごとし。「M VENERIVS COLONIAE / LIB SECVNDIO AEDITVVS / VENERIS AVGVSTALIS ET MIN / EORVM HIC SOLVS LVDOS GRAECOS / ET LATINOS QVADRIDVO DEDIT」:「M.Venerius Secundio、 植民都市(ポンペイ)の解放奴隷、(女神)ウェヌス(神殿)の、アウグストゥス(礼拝団)の番人、そして彼らの従者【min(ister) 】、彼は単独でギリシア語とラテン語の(演劇)諸競技を4日間にわたり提供した」。遺骸の頭部には毛髪と左耳の耳たぶも確認できた。

 被葬者は、死亡時には解放奴隷になっていたが、たぶん前歴がポンペイ市所属の公的奴隷だったのだろう。同時に女神ウェヌス(ポンペイの守り神であった)神殿と、アウスグトゥス礼拝団の番人を兼ねた従者として終生勤務していたと思われる。そしてまた、ギリシア語とラテン語の競技を4日間主催したことからも、そこそこの経済的上昇を果たすことに成功し、こうしてポンペイでギリシア語演劇が上演されていたことを実証した初めての証言者ともなった(ポンペイでは奴隷や売春婦がギリシア語を話していたという記事あるので、当たり前といえば当たり前なのだが)。またこの墓地の囲い内からは二人の火葬墓(遺灰壺)も出土し、その一つが「Novia Amabilis」と刻まれた人型墓柱columellaを持っているので、それはたぶん妻のものと思われている。

 霊廟奥の小墓室の遺体    頭部は枕の上に置かれている。耳たぶ↑

 他にも興味深い出土品があるがここでは触れない。とりあえず以下を参照されたい。http://pompeiisites.org/en/comunicati/the-tomb-of-marcus-venerius-secundio-discovered-at-porta-sarno-with-mummified-human-remains/

 私的に興味があるのは、2点。ポッツオリで活躍したリタイア銀行家で、書写板出土で著名なL. Caecilius Iucundusの邸宅(V.1.26)の、その書写板にもこのVeneriusは登場しているとのコメントがあるのだが、現在まだ未確認。第二は、墓碑銘中の「MIN / EORVM」にちょっと突飛な別解釈あって、旧約聖書の「ヨブ記」11.1, 20.1に登場する「ナアマ人ツォファル」(新共同訳表記)との関連を探って、我らのVeneriusをユダヤ教ないしキリスト教と関連する東方人種(ならば土葬も合点される)と見るわけである。また、後世のアウグスティヌスとヒエロニュムスでは,彼らをファリサイ派が異端視しているナザレ人と関連づけている由だが、さて。

Filed under: ブログ

「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」を見た

 遅ればせながらさっき見た。「この世界の片隅に」(アニメ2016年)のほうは早々に見たのだが、庶民の普通の生活が破壊されていくのが身につまされてつらかったので、まあ二度とみる気にはならなかった。姪を失い、右手を失い、親を失い、そしておそらく妹も・・・。「(さらに)」(2019年)も、今回テレビで再々放送されるまで見る気力が起こらなかったのが本音だった。

 だから細かい筋は覚えていなかった。見ていて最後に戦災孤児を連れて帰るのが唯一の救いだったことを思いだしたくらいだ。拡長版で、一層女性の置かれていた状況が主軸となっていることだけはわかった。そして当たり前のことだが日々の暮らしはその後も否応なく続いてゆき、それを女たちは支え続け、敗戦後の9月中旬に3度目の枕崎台風に襲われることも、史実だけに納得させられる内容だった。

Filed under: ブログ

カブール空港に見る日本の近未来

田中宇氏のブログを読もう。彼の持論はともかくとして、日本のマスコミが言わないことを掲載しているから。

http://tanakanews.com

私は我が国の近未来を見る思いである。

アメリカ傀儡軍である自衛隊の崩壊

真っ先に逃げ出す現地日本大使館員

いつに変わらぬ危機管理皆無の平和惚け日本

【追記】こういう意見もある(但し有料記事)。「東京五輪で感じた 日本の組織に特有のある「空気」」

https://mainichi.jp/articles/20210904/k00/00m/030/343000c?cx_fm=mailyu&cx_ml=article&cx_mdate=20210905

「日本の組織では誰もが責任を負うことを避け、誰も決めたがらない。そうこうしているうちに、多くの人は現状維持に慣れ、前例踏襲が一種の普遍的な思考様式になってしまう。全力で反対する人がいないまま、気がつけば考え直すには時既に遅く、気乗りしないまま実行する結果になってしまう。」

 こういう事実も20年前にあったことを、今回私は初めて知った。「米空母を護衛、驚いた官房長官「日本の戦争でもないのに」今も残る溝」https://digital.asahi.com/articles/ASP944WHYP8SUTFK01N.html?ref=mor_mail_topix1

Filed under: ブログ

女性専用トイレがなくなる?

https://mainichi.jp/articles/20210814/k00/00m/040/070000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=article&cx_mdate=20210816

 というのはちょっと大袈裟か。小規模事業所での設置基準を見直そうという動きに対して、だけどどうもうまく動いていないようだ。

 労働安全衛生法に基づく1972年制定の「事務所衛生基準規則」というのがあって、トイレは「男性用と女性用に区別する」と明記されているのだそうだ。50年も前のこの法律は、車椅子やオストメイト(人工肛門利用者)に対応したバリアフリーのトイレや、性別を区別しないトイレがカウントされず、要するに時代遅れになっていた。

 2018年から再検討を始め、今年3月に現行の内容を原則として残しつつ、「同時に就業する労働者が常時10人以内」の場合は、男女兼用の「独立個室型」トイレを一つ置けば済むことを特例として認める考えを示した。これは今はやりのマンションを事務所に使うような場合も想定していたようである。

 それに対して、予想外の、女性トイレをなくすなという反対が出てきているそうで。全部なくなるというわけではないのだが、やっぱり女性には共用は忌避観あるようで。

【追記】ググったら、2015年にすでにこんな情報が載っていた。筆者はトランスジェンダーの方らしい。「男女共用トイレの話 [性社会史研究(一般)]」(https://junko-mitsuhashi.blog.ss-blog.jp/2015-04-10-5)。ここでは証拠としてあげられている明治40年の新聞挿絵を転写しておくが、筆者の言では、「こういう状況が1950年代までは確実に続いていたし、その名残りが1970年代まであった」とのこと。歴史は回り、装いを新たにして、その状況に復帰するだけのこと、としている。

1907年(明治40)の「公設便所」の状況。左から男性、女性、男性。

 私の体験記:今をさる40年以上前、1978年に岡山県津山市の女子大・短大に就職したのだが、赴任直後の四月に中国縦貫道を観光バスに乗って姫路城へのバス旅行があった。そして城内の公衆便所に入ってみると中央通路の一方が上図のようなコンクリート製の古典的男子立ちショントイレで、他方が木造個室の女性用(および男子大用)が並んでいて、まあ当時はそれが普通だったにせよ、今回はいやしくも赴任直後の女子大の威厳あるべき新任教員であるのに、押し寄せ列をなしている教え子たちの嬌声を背後に立ちションさせられて閉口した記憶がある。ひょっとするとお互いさまだったかもだが。

 こんなブログもみっけ。「男女兼用トイレmp3-mp4」(https://www.sm3ha.ru/song/%E7%94%B7%E5%A5%B3%E5%85%BC%E7%94%A8%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC.html)。かつて紹介したことある(2020/8/23)スケスケトイレの「検証 スケスケの公衆トイレ 用を済まして確かめてやる」(https://www.youtube.com/watch?v=VoROw7wVdss)をみる目的で行ったので誤解なきよう。それにしても最後には驚かされた。たぶんやらせでしょうが。

 最近、こんな情報も。「「男女共用」ではなく「すべての性のトイレ」がアメリカで広がるわけ」(https://tripeditor.com/435064)。この立場からすると女性用トイレに反対する人たちにはトランスジェンダーの人たちへの配慮がない、ということになるが、いかが。

Filed under: ブログ

世界キリスト教情報第1595信:2021/8/16

= 目 次 =

▼スイス、アフガン亡命者の強制送還を一時停止

▼米長老教会も対キューバ制裁緩和をバイデン大統領に呼び掛け

▼ケニア聖公会、2人目の女性主教選出

▼仏西部ヴァンデでマリア宣教会の管区長が殺害

▼養子と実子に指示し夫殺害?=ブラジル下院、起訴された著名議員の資格剥奪

▼韓日市民団体が両国政府に歴史問題清算への努力を要求

▼スペインのアステカ帝国征服は大失敗、とメキシコ大統領

 今回は日韓問題を紹介する。

◎韓日市民団体が両国政府に歴史問題清算への努力を要求
【CJC】韓国放送公社(KBS)の国際放送によると、韓国と日本の市民団体や宗教界が昨2020年発足した「和解と平和のプラットフォーム」は8月12日、ソウルの韓国キリスト教会館で記者会見を開き、韓国の独立76周年を迎え東アジアの平和を呼びかける両国の宗教界と市民団体の共同声明を発表した。

 共同声明は「日本の極右政治は、韓国や中国、北韓などの周辺国の安全を脅かし、日本の民主主義に対する重大な挑戦だ。日本政府は憲法第九条をはじめとする憲法改悪を中断すべきだ」と明らかにした。

 また、日本政府に対して、植民支配や旧日本軍の性奴隷問題を直視して被害者に謝罪することを求めるとともに、在日韓国人に対するヘイトスピーチを放置してならないと主張した。

 韓国政府に対しても「南北共同宣言を履行し、東アジアの平和のために努力すべきだ」と呼びかけた。さらに、「両国政府が歴史問題の清算のために努力し、共同で真相究明に臨むべきだ」としたうえで、「中国封鎖を目的とするアメリカのインド太平洋戦略に参加するのを中断すべきだ」と主張した。□
Filed under: ブログ