今回は、ニュースの紹介ではなく、今スターチャンネル1で放映が始まっている「The Young Pope:美しき異端児」(https://www.star-ch.jp/drama/youngpope/sid=1/p=t/)に触れたい。これは2016年イタリア・フランス・スペインの共同制作のテレビドラマで、日本では2017年にWOWOWプライムで全10話が放映されたらしいが,私は知らなかった。今回は4/19(月)23時から開始されている。しかもスターチャンネルで5/24から続編全9話も開始されるようだ。
① 広島からの帰りに入手した『Wedge』33−5に気になる記事があった。元同僚だった鬼頭宏「「人口減少悲観論」を乗り越え希望を持てる社会を描け」pp.34-37。日本史上これまで4度の人口減退期があって、それには相応の事情があり、いずれも次代を切り開く文明システムへと転換する過渡期、という視点から将来の展望を見いだすべきだ、というわけ。著者は4度目は1970年代から少子化が始まり、すでに出生率が回復した国もある中で、日本など相変わらず深刻で、これらの国に共通するのは女性の地位が低いことだ、と喝破。核家族という現実の中で「男女が平等に社会に進出し、家事、育児、介護を分担するジェンダー平等社会を実現することこそ、出生率回復の鍵である」、と。
② 同上誌に、勝股秀通・徳田八郎衛「学術会議の知られざる真実:軍事忌避を金科玉条にするな」p.50-53:以前もどこかで勝股氏の所論を紹介した記憶があるが、防衛庁OBの徳田氏との対談。軍事研究をなべて否定するなどと言うのは研究の自滅でしかない。「軍民両用」は無視しがたい、という当たり前のことを主張している。日の丸ワクチンの立ち後れだって、細菌兵器なんかを前提にやらなければ開発研究できないわけだし。薬品会社は儲からないから全然やろうとしないわけで、そこに国家資金を投入しなければ、いざというとき自滅するしかない現実を、学術会議は、国民はどうする気なのであろうか。
③ 「田中宇の国際ニュース解説 無料版 2021年4月24日 http://tanakanews.com/」:新型コロナのPCR検査は遺伝子類を人工的に何回も増幅して染色体を可視化するが、それをやり過ぎると、「偽陽性」が多発する。その増幅限度は35サイクル(2の35乗=344億倍)で、30サイクル以下がいいのだが、日本や米国のそれは40サイクル、英国は45サイクルで、感染状況を過大に見積もって騒いでいる、というもの。それにより、日本は経済を自滅させる方向に動いている、と分析する。
③ 新型コロナがらみで、ちょうど面白い1985年の情報を読んだ。坂本鉄男『ビバ!イタリア』「熱いキス一回で寿命は三分縮まる」p.89-90:日刊紙メッサジョーロに、フランスの女子大学生の卒論が紹介されていて、挨拶代わりのあっさりしたそれ(イタリアのバッチョを想定か)が12箇所の筋肉をうごかすだけなのに、いわゆるフランス式濃厚キッスは29箇所を活動させるだけでなく、相互の口中に9ミリグラムの水分、0.7ミリグラムのタンパク質、0.18ミリグラムの有機物、0.71ミリグラムの脂肪、0.45ミリグラムの塩分、250個の細菌を送り込んでいて、口腔内や咽喉内部の多くの炎症の原因となっている由。
坂本鉄男『ビバ!』p.169-171を読んでいてみつけた。天正遣欧使節がらみでの新史実が1985年ごろ発見されて、そのエピソードの舞台となった教会が、トラスティベレにある「サンタ・マリア・デッロルト教会:菜園の聖母教会」 Chiesa di Santa Maria dell’Orto(私は行ったことがない)。
イタリア語版ウィキペディアによると、2012年まで日本人カトリック国民教会il tempio di riferimento per la comunità cattolica giapponese di Romaだった由。これは知らなかった。おそらくこの関係が発掘され、その400年目にあたる1985年を機縁としてのことだったのだろう。ブログで遣欧使節の一人ジュリアーノ中浦の肖像画(2009年、三牧樺ず子作:彼はイエズス会神父となり65歳で殉教)が飾られているのもそのつてだと思うが、そもそも日本人信者そのものが少ないし、国民教会の件は上記ブログにも、若桑女史の著作でも付言されていないくらいだから知名度も今一だったのだろう、1985年の400年祭が過ぎ去って熱意もすぐに薄れてしまったと思われる。