月: 2022年4月

今年も味わえるささやかな口福:タロッコ・オレンジ

 いつも購入している業者からたくさんのパンフが送られて来た。以前紹介したことのある季節の果物、シシリア原産の「タロッコ・オレンジ」である(本来のシシリア原産はドス黒い赤みが表皮にも出ている「モロ種」で、タロッコはスペインの「サングイネッロ」の変種、という説もある:生食は前者が向いている)。

 時期的に3月頃から5月までのものなのに、あれこれ取り紛れていたが、業者からの便りで気がついた。さっそく安い家庭用訳有り5Kgを発注してみようと思う。戦争のない幸せをしみじみ思う。

 興味あれば「ブラッドオレンジ」でググれば販売業者がでてくるが、瓶詰めなんかの還元ジュース(モロ種)じゃなくて是非ともタロッコの生食を試してほしい。

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ボロが出だしたウクライナ側情報

 ウクライナ当局はこれまでさんざん非戦闘員の民間人、とりわけ子供への被害を映像を含めて訴えてジェノサイドなどと公言し(実際には皆殺しはしていない)、それに対して米欧日のマスコミはほとんど検証抜きでそのまま垂れ流ししてきたのだが(原発攻撃なんてのもその類いのフェイク)、ウクライナが一線を越えて「化学兵器」の使用を言い立て出したのには、さすがに米欧も「未確認情報」とコメントをつけざるをえなくなったようで、これはマウリポリ陥落目前となって、追い詰められたウクライナが焦りからなり振りかまわず無理なフェイクを叫ばざるをえなくなってボロを出し(実際、この情報はすぐに尻すぼみになってしまった)、そこまで軍事的に追い詰められてきたことの証しとなるはずだ。

 そうこうしてたら、これまで「ロシア軍」「ウクライナ軍」と十把一絡げに表現していたマスコミ(登場の専門家たち)も、ようやくウクライナ軍の中の問題児・極右勢力「アゾフ大隊」について触れざるを得なくなってきて、製鉄工場に籠城している彼らが民間人を楯にしている現実にも目をつぶっておれなくなり、マスメディア報道にちぐはぐさが生じ出しているように、私には思える(4/20放映のBS日テレの「深層NEWS」の担当キャスター右松はこれまで比較的よかったのだが、この日はコメンテーターから無理矢理自説に沿った見解を得ようと躍起になっていて、奇妙な具合だった)。たぶんコメンテーターとしては限られた報道時間内での発言で「これまで聞かれなかったので、触れなかっただけ」と弁解するに決まっているが、マスメディアも勝ち馬に乗り換える時期がきた気配を察知し出しているようで、まことに笑止千万なことである。彼らにとっては視聴率が至上命令という自己都合があるわけなのは明らかだが(ということは、視聴者が求めている「事実」を垂れ流せばいいわけだ)。

 それにしても単純無辜な我が国の庶民から救援金100億円集まったとのことだが、それは一体どのように使用されるのか、私は大変疑問視している。中にはとんでもない火事場泥棒の輩がいるはずだから(紛らわしい組織名の連中は言うまでもなく、大口の日赤やユニセフなんかだって今後の活動費と称して募金を内部留保しちゃってるらしいし)。政府も自衛隊で不用になったという名目で防衛備品を送るそうだ。その中には廃棄予定品ではないドローンや防弾チョッキも含まれているようで、本来これらの放出は紛争当事国には御法度のはずなんだが。ホントご親切なことである(https://ml.asahi.com/h/aokoaj86mYdolTab)。

 それなのに、ああそれなのに、我が愛する祖国の政府のやることは、いつもどおりなんともはやで、いまさらあきれることもできない絶望的状況だ。経済封鎖品目に肝心の天然ガスは入っていないし、飛行機飛ばしてたった20名たらずの難民を連れ帰って、本気でやっているとはまったく思えない(現地大使館の対応なんか人間味一つもないお役人仕事だ、今回も!:https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20220408/pol/00m/010/008000c?cx_fm=mailpol&cx_ml=article&cx_mdate=20220417)。

 佐々木俊尚(ジャーナリスト)「ウクライナ侵攻「正しい情報」見抜くプロの読む力」(https://article.auone.jp/detail/1/3/6/7_6_r_20220305_1646445624237679)を読んだ。彼がいう「読む力」が実際的に役に立つとは私には思えないが(論より証拠、開戦以前に軍事専門家は軒並み把握に失敗しているではないか)、単に自著の宣伝のつもりかもしれないが、ロシアも米欧も当然状況に応じて対抗策を講じるから紆余曲折はあって予測は不可能で、しかし戦争の勝敗の決着についてはそれなりに明快に示されるはずなので、彼の所説の正否はいずれ明らかになるであろう。

 私は東欧事情にも軍事にもド素人なので、戦闘の帰趨など分かりはしないが(申し訳ないが、せいぜい頭の体操レベル)、今次のロシアの主目的は最初から東部制圧であって、その意味でキエフ侵攻は本筋ではなく(そこでの脅しでゼレンスキー大統領がさっさと国外に逃げ出せばそれもよし、という観測があったにせよ)、戦術的な牽制・陽動作戦にすぎず、派遣ロシア軍も未熟なウラジオストックあたりの、演習気分で派遣されてきていた徴集兵主体の東辺部隊で、しかしそれによってウクライナ側も東西に兵力分散を余儀なくされ、それが現在の東部戦線の状況をもたらしているのではないかと想像しているのだが、どうだろう。

 ところで、これまでの情報戦でのウクライナ側の圧倒的優位は、すべてにかかって、民間業者イーロン・マスクが速攻で「スターリンク」を無償提供したことによる、らしい。これは従来の戦争では見られなかった現象と言わねばならない:https://news.yahoo.co.jp/articles/02fc84a64a11177ee98053a75b5422320e9e1397。国家の思惑などどこ吹く風とばかりに、圧倒的な大量の民間動画情報が発信され(もちろん、悪質なフェイクも含まれるが)、それがほとんど検証もされずに国際世論を動かすなど前代未聞の近未来型情報戦の登場である。

 フェイクニュースの横行と拡散を規制する対抗策がない現状では、しかしかつての流言飛語(関東大震災時を想起せよ)とどれほどの違いがあるというのか、はなはだ疑問とならざるをえない。かえって新コロナ対策で成果を収めた中共のように制度的な情報統制が強まるのは必至で、これがかえって民主主義を標榜する米欧においても情報分断を深める結果になりそうだと思っているのだが(目先の利害で動いてしまうのが庶民というもので、容易に衆愚政治となる)、どうだろう。その意味で、まずはフランスの大統領選がどうなるかだ。

 ところで監視カメラ設置数で世界一は英国らしい。それが恐るべき画面フェイクに繫がりかねないというドラマ「ザ・キャプチャー:歪められた真実」(2019年)を見た。ストーリーの設定が特殊すぎて一般論にはならないように私は思ったが、こういった監視システムを英国民は認めざるをえないとしたら、何も隣国中国を監視国家とあげつらってすむ問題ではないように私には思えるのだが。

 

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世界キリスト教情報第1630信:2022/4/18

≪ 目 次 ≫

▽教皇、復活祭メッセージ「キリストの平和が勝るように」
▽エルサレム旧市街聖地で衝突、イスラエル警察とパレスチナ人
▽ウクライナ侵攻で正教会の混乱、孤立するキリル総主教
▽ウクライナのマリウポリでカリタス関係者死亡
▽仏アーティストが「笑顔と人間らしさを」とウクライナに壁画
▽建築家ガウディの展覧会、パリのオルセー美術館で開幕

 今回は、3番目の記事を紹介する。

◎ウクライナ侵攻で正教会の混乱、孤立するキリル総主教
【CJC】ロシア正教会のキリル総主教(75)が、ロシアによるウクライナ侵攻に高らかな祝福を与えたことで、世界中の正教会は分裂の危機に陥り、専門家から見ても前代未聞の反乱が正教会内部で生じている。バチカン市発ロイター通信が伝えた。

 ロシアのプーチン大統領の盟友であるキリル総主教は、今回の戦争について、同性愛の受容を中心に退廃的であると見なす西側諸国への対抗手段、と考えている。

 キリル総主教とプーチン大統領を結びつけるのは、「ルースキー・ミール」(ロシア的世界)というビジョン。「ルースキー・ミール」とは、旧ソ連領の一部だった地域を対象とする領土拡張と精神的な連帯を結びつける構想だという専門家の説明をロイター通信は紹介している。

 キリル総主教の言動は、ロシア国内にとどまらず、モスクワ総主教座に連なる諸外国の正教会においても反発を引き起こしている。

 オランダ・アムステルダムの聖ニコラス正教会は、この戦争を機に、教区司祭が礼拝の際にキリル総主教を祝福する言葉を入れることをやめた。

 「キリル総主教は、まぎれもなく正教会の信用をおとしめた」と語るのは、リバプール・ホープ大学のタラス・ホームッチ上級講師(神学)。ホームッチ氏は、ウクライナのビザンツ式典礼カトリック教会の一員だ。同氏はロイターによる電話インタビューで、「ロシアでも声を上げたいと思っている人はもっと多いが、恐怖を感じている」と語った。

 ウクライナには約3000万人の正教徒がいるが、「ウクライナ正教会」(モスクワ総主教庁系、UOC─MP)と、別の二つの正教会に分裂している。後者の一つが、完全独立系「ウクライナ正教会」。

 UOC─MPのキエフ府主教区大主教であるオヌフリー・ベレゾフスキー師は、プーチン大統領に対し「同胞が相争う戦争の即時停止」を要請し、もう1人のUOC─MP府主教区大主教であるエボロジー師(東部スムイ市出身)は、配下の司祭たちに、キリル総主教のための祈りをやめるよう指示した。

 今回の戦争を批判する正教会の指導者としては、この他にも、アレクサンドリア及び全アフリカ正教会の総主教であるテオドール2世、ルーマニア正教会のダニエル総主教、フィンランド正教会のレオ大主教といった面々がいる。

 キリル総主教の態度は、ロシア正教会と他のキリスト教会の間にも亀裂を生みだした。

 世界教会協議会(WCC)のイオアン・サウカ総幹事代行は、キリル総主教に「停戦に向けた当局の仲介と調停」を求める書簡を送った。

 これに対しキリル総主教は、「あからさまにロシアを敵視する勢力が国境に近づき」、西側諸国はロシアを弱体化させるための「大規模な地政学的戦略」に関与している、と応じた。WCCは両書簡を公開した。

 キリル総主教のプーチン氏支持の姿勢は、バチカンとの関係も悪化させた。

 2016年、教皇フランシスコは、キリスト教が東方教会と西方教会に別れた1054年の「大分裂」以来、ロシア正教会の指導者と面会した最初のローマ教皇となった。双方とも今年2度目の面会を実現したいと希望していたが、専門家の中にはこうなっては事実上不可能と見る向きも出ている。□

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脅しですむ戦争のはずが・・・

 朝日新聞にしてはきわめてまともな記事が出た。

 「ハイブリッド戦争のはずが20世紀型戦闘:ロシアの誤算と泥沼化はなぜ」(https://ml.asahi.com/p/000004c215/14534/body/pc.html)。

 松村五郎・元陸上自衛隊東北方面総監へのインタビュー記事。やはり現場経験者の見解はあか抜けている。これで緒戦でのロシア軍の、一見もたついた感じの行動を理解できよう。

 そうこうしていたら、今度は毎日新聞。「ウクライナ侵攻、スマホで見る現代戦の本質:福田充・日大教授」(https://mainichi.jp/articles/20220415/k00/00m/030/092000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=article&cx_mdate=20220416)。

 煽るだけ煽って、そろそろ路線変更しておこう、というデスクの差配なのだろうか。

 私は、以下のブログの内容におおむね同意しているので、日本のマスコミはまだまだことの核心を把握していない(ないしは、吐露していない)と考えている。

 「ロシア軍は過大評価されていますか?いまはメディアが言うほど強くないということはあり得ますか?」というQuoraへの解答(https://jp.quora.com/roshia-gun-ha-kadai-hyouka-sa-re-tei-masu-ka-ima-ha-media-ga-iu-hodo-kyou-ku-nai-toiu-koto-ha-ari-e-masu-ka)。この解答者の見解は面白い:https://jp.quora.com/profile/Youji-Hajime

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世界キリスト教情報第1629信:2022/4/11

目次

◎受難の主日=教皇、復活祭の停戦を呼びかける

◎ウクライナのブチャにある教会で集団墓地発見、戦争開始から民間人を大量虐殺か

◎教皇、マルタからの帰国便機内でも記者団と対話

◎ウクライナ・ブチャの殺りくを、教皇「恐ろしい非道さ」と非難

◎ロシアは「衰退」、ウクライナには「欧州の未来」=EUトップ指摘

◎米亡命希望のウクライナ人がメキシコ国境に急増  今日は最初の記事を。

◎受難の主日=教皇、復活祭の停戦を呼びかける  

 今日は最初の記事を。

【CJC】バチカン・ニュースによると、教皇フランシスコは4月10日、バチカンで司式した「受難の主日」ミサの後半、「お告げの祈り」で、「武器を置いて、復活祭の停戦に入るように」と呼びかけた。  

 祈りに先立つ説教で、教皇は、「神にできないことは何一つない」(ルカ1・37)という、主の天使がお告げの中でマリアに言った言葉を繰り返した。  

 「神にできないことは何一つない。たとえ、終わりが見えない戦争、たとえ、毎日非武装の市民に対する残忍で冷酷な虐殺を目の当たりにする戦争であっても、それを止めるために、神に祈ろう」と教皇は招かれた。  

 復活祭を前にしたこの日々、わたしたちは罪と死に勝利した主イエス・キリストを記念するための準備をしている、と述べた教皇は、その勝利は罪と死に対してであり、誰かに対してではない、と指摘。  

 「それなのに、今日、戦争がある。なぜこの世の方法で勝とうとするのか、それは敗北をもたらすだけだ。なぜ神が勝つままにしないのか。キリストはわたしたちを悪の支配から解放するために十字架を背負われた。キリストはいのちと愛と平和が統治するために十字架上で死なれた」と説かれた。  

 「武器を置いて、復活祭の停戦に入るように」と教皇は呼びかけつつ、「それは再び武器に弾を込め、戦いを再開するための停戦ではない。人々の善のために何らかの犠牲をも考慮した真の交渉を通して、平和に到達するための停戦である。瓦礫の上に旗を立てたところで、それはどういう勝利なのか」と語った。  

 「神にできないことは何一つない」と述べた教皇は、「聖母の取り次ぎのもとに、神により頼もう」と、人々と共に「お告げの祈り」を唱えた。□

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まだ見ぬローマ遺跡:西端

 今また、テレビで「バットン(大戦車軍団)」(1970)をやっている。その冒頭付近で、主人公のバットンが、戦場近くのローマ遺跡を訪れ、ローマ軍に包囲されたカルタゴ軍との戦いの戦場がここで、「その時俺はここにいた」といっている実に印象的な場面があるが、時系列的にはチュニジア内のはずなのだが、映画のロケ地は実はモロッコのヴォルビリス遺跡である(https://www.travel.co.jp/guide/article/29846/)。

 後のローマ帝国の西端マウレタニア・ティンギターナ州の有力都市だったこの地で、かつてカルタゴとローマが戦闘をした記録などないはずだが、ロケ地として採用されたのだろうが、美しい多色モザイク舗床など見るべきものは多くあり、私にとっていずれ行きたかった古代遺跡のひとつであった。北アフリカで未踏の地はモロッコのみとなっているが、さて余命幾ばくか、その機会はもはや許されないかも知れない。

画像はいずれもWikipediaより

  同様に西端地域としては、ポルトガルも私にとって未踏の地で、Conimbrigaをはじめとして興味深いローマ遺跡は数多いのが心残りである。北上するサンチャゴ巡礼路で踏破を妄想した時期もあったのだが。

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ロシア侵攻軍の正しい分析を

  十把一絡げの日本のマスコミ報道の不正確さは(米テレビ報道がperhapsとかlooks likeと表現しているのを、断定報道してはばからないのだそうで)、報道への信頼性を著しく毀損している、と私は思っている。そんな中、ようやくまともな情報が出てきた。

 伊東乾「ブチャ虐殺は紛れもないジェノサイド、拷問遺体が告発する真実:ウクライナ占領地で暗躍する「スペツナズ」の蛮行」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69624?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top)

 ロシア正規軍は若者主体で、これはまあ訓練不足にしても、だがまともな軍隊。軍服の色で住民たちが見分けたのは、他に2週間後に進駐してきた中年からなる濃緑と黒色の制服の部隊は正規軍とは別物の諜報部門や親衛隊で、虐殺はもっぱらこれらが行っている、ということらしい(かつての旧ドイツ軍の構成と類似しているのかおもしろい)。これを単純にロシア軍と表記するのは誤りである以上に意図的なフェイク情報である。

 だから、虐殺はロシア(正規)軍がしているわけではない、というロシアの口上は一応論理的には嘘ではないわけである。まあ一旦戦闘状態になったらこういう悲惨な泥沼は常態になる。

 また、客観的な判断のためには「ロシア脳」と「アメリカ脳」を持ってつつき合わせて検討しないといけないが、「アメリカ脳」しか持たない日本のマスコミは、単純素朴にそれを信じ込んでいる、とする高野孟「ロシア軍は本当に劣勢か?”アメリア脳”に支配された空想記事を「鵜吞み」する危険」(https://i.mag2.jp/r?aid=a624d64e129841)も、読むに値する。

QUORAで見つけたもっともらしい絵:実際には靴はナイフに見えはしないが

 またまたお騒がせの田中宇氏は「虐殺の真犯人はウクライナ極右民兵団だろう」とさえいっているが(「市民虐殺の濡れ衣をかけられるロシア」https://tanakanews.com/220408bucha.htm)、ここで言っているのは、「アゾフ大隊」のことだろうが、彼らだとたしかに何でもありであるが、さてどうだろう。

【補遺】また同様に田中氏情報だが、ロシアの天然ガス代のルーブル支払い問題も、日本の政府とマスコミは、日本がプーチンによるルーブル払い義務化攻撃の対象にされていないことをよく知っているはずなのに、意図的に曖昧な表現で現実を隠しているらしい。ルーブル支払いは非友好諸国(米欧日:米国側)が「気体状の天然ガス」を購入する場合のみで、液体状でのLNGは含まれていない。日本は液体のLNGしか買ってないので、ルーブル払いを義務づけられていない。米国側で気体のガスを輸入しているのは独仏EUなど欧州大陸諸国だけなので、プーチンはEUを狙い撃ちしているわけ(https://tanakanews.com/220403rubles.htm)。

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戦争とはなんでもありの原始状態である

 今般のウクライナ戦争は前代未聞、有象無象の「サイバー戦争」の様相を呈している。https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69584?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top;https://www.fsight.jp/articles/-/48756

 藤村純佳女史の「最新ウクライナ情勢:ロシア軍の人的損失は「想定外」なのか?」(https://news.yahoo.co.jp/articles/10f93e7d7a34d9c37271a64a8038e6fc450777b0:但し有料)によって指摘されている、ロシア軍の消耗率はまだ想定内、というのは示唆的だ。米欧(それに追従の日)情報がまったく触れようとしていない視点である。

 マスコミでは「ロシア軍の民間人への残虐行為」を「戦争犯罪」と煽っているが、それは戦時においてこれまでどの国の軍隊でも(具体的に言おうか、日本軍、アメリカ軍、イギリス軍・・・、そしてソ連軍)平然と行われてきたことにすぎない、残念ながら。しかしそれにはひと言も触れようとしない。

 特に市街戦では戦闘員・非戦闘員の判別はつきがたいし(市民を装ったゲリラや民間人を楯にするのは常套手段だし、自爆テロも当然想定しないといけないし、それに無辜を装った少年兵だっているのだ;要するに動くモノはすべて的、もとえ敵)、素性の知れない民兵なんかも跳梁跋扈しているのだから、外出禁止時間に動けば問答無用で打たれるのは当たり前にしても、無関係に当然巻き添えになる民間人は出てしまう。こりゃ常識だろう、残念ながら。

 そのうえ、3月にゼレンスキー大統領が提出し可決された『ロシア軍を殺害しても無罪になる』という法案など、ロシア軍も殺されないためには市民に対して即反撃する口実になるだろう。これに対して西側はロシアの戦争犯罪と声高に主張しているが、なんとアメリカもウクライナもロシアも国際刑事裁判所に加盟していない。アメリカのやり口はいつもこれなのだ。

 我らは沖縄戦や広島・長崎、そして空襲を思い出すだけでいいはずだ。あ、知らないってか。沖縄線では自国の正規軍が住民を「惨殺」した事例が報告されている。中野学校の諜者も住民に紛れていたし。広島・長崎や全国での空襲はいわずとしれた米国の民間人無差別殺戮だった。

 それが今回、一般人(を装っている場合もありかと)のSNS動画で拡散放映されて「驚愕」をもってマスコミが追従している姿は、あまりにも見え透いている(逆に民兵側は捕虜をとらずに殺害に走るが、そっちは報道されない)。というか、ジャーナリストたちよ歴史を知らないのかと言いたくもなるが、十分に知っていて、より苛酷な対ロシアへの制裁発動を意図しての世論誘導であることは明らかだ。

 はたまた、ウクライナ側がロシア軍による「多数の市民の死亡者」としているのも一種のフェイク表現では。ウクライナ側の兵士(徴募されたにわか兵士や民兵を含めて)は当然ウクライナ市民でもあるのだから(そしてウクライナ側は設置地雷が危ないとかいって外国メディア立入を禁止し、さっさと死体を片付けている(隠蔽工作)という現実もある、らしい)。

 勝者側による日本軍のBC級戦犯の裁判を思いだしてしまう。ともすると忘れられがちだが、勝者側の残虐行為はぜんぶ許されちゃったのだ。所詮作り物の映画にすぎないが、「プライベート・ライアン」でそれが象徴的に映像化されているのを思い出せ。あ、あの手を挙げてのこのこ出てきて殺されたドイツ軍の軍服着ていた兵士たちチェコ語で喋っていたのでわかってないのかもしれない(なぜか字幕もなかったし:「オレたちドイツ兵じゃないよ、チェコ人だ、アメリカ兵を殺してないし」と喋っていたらしい)。イーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」でも捕虜を取るのは面倒だと、日本兵を射殺する場面がさりげなく挿入されている。

 ウィキペディア情報で作成した以下のような地図もある(http://battles.nodegoat.net/viewer.p/23/385/scenario/1/geo/fullscreen)。前2500年以降2016年までの戦争勃発地点である。情報の偏りは自明だが、しかしこういう視覚情報をみせられると、ヨーロッパやアメリア東部の住民はつくづく好戦的だったという印象を持たされてしまう。

 

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世界キリスト教情報第1628信:2022/4/4

 変だなとおもっていたら、送られて来たが、これまでの目次がなくなって、ちょっと面倒。

◎教皇、マルタ共和国へ司牧訪問2日間
◎教皇、コンゴ民主共和国と南スーダン訪問訪問へ
◎教皇「カナダの先住民を傷つけた教会関係者のために悲しみ」
◎ロシア軍、ウクライナ首都近郊の教会を攻撃の足場に=米政府高官
◎停戦交渉進展との見方にロシア側は慎重姿勢
◎ロシアの体制転換呼び掛けてはいない、とバイデン米大統領
◎ウクライナ侵攻終わるまで休刊=ノーベル平和賞受賞者編集長のロシア紙
◎プーチン大統領の愛人か、スイスに滞在中の報道

 今回は3番目を紹介する。

◎教皇「カナダの先住民を傷つけた教会関係者のために悲しみ」

【CJC】教皇フランシスコは、カナダ先住民使節団のバチカン訪問最終日となった4月1日、同使節との出会いで、先住民たちを傷つけたカトリック関係者のために悲しみと恥の念を表した。バチカン・ニュースが報じた。

 カナダのかつての先住民同化政策下におけるカトリック教会運営の寄宿学校での悲劇に対する真相の究明と、正義の追求、いやしと和解の歩みを求め、イヌイット、メティス、ファーストネーションの3グループからなる先住民使節団が、バチカンを訪れていた。教皇はそれぞれのグループと会見し、人々の苦しみの体験に耳を傾けた。

 4月1日、教皇は使節のすべてのメンバーに挨拶をおくり、その中で、植民地主義的イデオロギーによって、カナダの先住民の多くの人が、独自の文化や伝統、土地や環境との結びつきを断たれ、家族と引き離されるという悲劇を体験させられたことに、ご自身の深い悲しみと恥の念を表明、カナダの司教らと謝罪のうちに一致したい、と話した。

 教皇は、搾取や尊重の欠如によって先住民たちを傷つけたカトリック関係者、特に教育責任者たちのために、悲しみと恥を感じる、と話し、これらの行為のすべてはイエスの福音に反するもの、と強調した。

 今回の出会いが、共に進むべきさらなる道を開くことを願いつつ、教皇は、兄弟愛の精神のもと透明性ある真相追求といやしと和解の推進に取り組むよう、司教はじめカトリック関係者たちを励ました。

 教皇は、カナダの先住民の土地を訪れ、直接ご自身の寄り添いを伝えることができれば幸い、とカナダ訪問の意志を表明した。□
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世界キリスト教情報第1627信:2022/3/28

 なぜか一週間遅れの日付であるが・・・。

= 目 次 =
▼戦車を止めようとしたウクライナ正教会司祭射殺=英メディア「BBC」
▼ロシアがウクライナ侵攻作戦の重心を南東部へ
▼バチカン改革へ教皇フランシスコが待望の文書に署名
▼韓国の絵本作家イ・スジ、「児童文学界のノーベル賞」国際アンデルセン賞受賞
▼女性初の米国務長官オルブライト氏死去

 今回は、最初の記事を紹介する。

【CJC】ウクライナのイリーナ・ウェネディクトワ検事総長は、3月23日現在、同検察官事務所が記録した事件は2472件にのぼるとして、それらの事件をどのように扱っているか、概要を内外のメディアに説明した。

 そして「ウクライナの司法権が有効で、犯罪加害者が物理的にウクライナにいる場合、私たちが取る戦略は一つだ。それがウクライナで成功しないとわかれば、国際刑事裁判所(IOC)に訴え、特定の人物、個人が処罰されるようにする」と述べた。

 英メディア「BBC」は、ウクライナで戦争犯罪の疑いがあるとして記録されている事件について、目撃証言などを集めた。

 その一つは次のようなものだった。ロシアがウクライナに侵攻して1週間余りの頃に起こったもの。首都キエフの西40キロにある小さな村ヤスノホロッカでは、隣人や友人たちか集まる有志グループが、コミュニティーの入り口を守る検問所で配置についていた。

 3月5日午後、同村の司祭のロスティスラフ・ドゥダレンコさん(45)は、検問所にいた。ドゥダレンコ司祭の役割は、近づいてくる車をチェックすることだった。その時、同司祭は私服だった。

 何が起こったのか、正確に立証することはできないが、攻撃の生存者の1人、ユヒムさん(仮名)はBBCに、ドゥダレンコ司祭を含む十数人と検問所を守っていたところ、3台のロシア戦車が村を通過したと知らされたのだと話した。そこで一行は森の中に隠れ、必要なら戦車に立ち向かおうと決めたのだという。

 検問所に近づくと、ロシア軍は「四方八方へ発砲」し始めたと、ユヒムさんはBBCに語った。「私たちが草むらに隠れているとわかると、戦車で私たちをひき殺すために道路から外れ出した」。

 戦車が道路まで戻ってきたとき、ドゥダレンコ司祭さんは姿を現そうと決めたのだと、ユヒムさんは話した。

「司祭が十字架を頭上に掲げ、隠れ場所から立ち上がり、何かを叫びながら戦車に向かって歩いて行くのを見た。ロシア軍を制止したかったのかもしれない。私は司祭に声をかけようとした」

 すると、司祭の方向へ発砲があった。ユヒムさんの位置からは、直接ドゥダレンコ司祭に向かって撃ったように見えたと言う。「それでおしまいだった。彼は2,3歩歩いただけで倒れた」。

 ユヒムさんもこの攻撃で撃たれてけがを負った。その時点でウクライナ軍が到着してロシア軍を後退させなければ、その場のにいた全員が殺されていただろうと、ユヒムさんは思っている。

 ドゥダレンコさんが所属していた有志グループは、軍とは無関係だった。同じグループのエドゥアルドさん(仮名)によると、軍事訓練を受けていたのは数人で、東部ドンバスでロシアと長年続く紛争で戦闘を経験した人たちだという。ほとんどは50歳以上だという。

 エドゥアルドさんは当時、別の検問所を担当していた。エドゥアルドさんが到着した時にはロシア軍戦車は撤退した後で、道路には遺体が散らばっていた。その中にはドゥダレンコさんや、やはり丸腰だった輔祭、別の防衛志願者2人、そして見知らぬ人物が1人含まれていた。

 ドゥダレンコさんの母ナディイアさんは、一人息子は自分の役割を果たそうとしていたと語った。「息子はみんなを守れるようになりたいと思っていた」と、ナディイアさんはBBCに話した。

 「説得してやめさせようとしたけれど、反論できなかった」

 一行は猟銃に加え、少ないながらロシア軍のカラシニコフを所持していた。防弾チョッキはグループ全体に3着だけだった。しかし、ドゥダレンコさんは司祭として武器を持つことを拒否していたと、友人で同じく司祭のセルヒイ・ツォマさんがBBCに語った。

 ドゥダレンコさんがいざ戦車と対決しようと決めた時、撃たれればひとたまりもなかった。しかし、目撃者のユヒムさんによれば、こうした行動がドゥダレンコさんの本質だったという。□
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