世界キリスト教情報第1527信:2020/4/27

= 目 次 =      
▼ロシア正教会、感染拡大で復活祭に司祭らだけで礼拝      
▼バチカンが新型コロナ対応へ新委員会設立、「パンデミック」後の影響分析や対策提案  ▼教皇が訪中準備、最初の訪問地は武漢?      
▼教皇の武漢訪問は「フェイクニュース」と中国『環球時報』      
▼台湾がバチカンにマスクの追加支援、教皇は台湾に気遣い      
▼『チビルタ・カットリカ』誌が簡体字中国語版を創刊

 今回は、カトリック教会の中国・台湾関係での微妙な動きが目立っているが、私的にはいささか微妙です。最後の Civiltà Cattolica 誌は1850年以来イエズス会が出版してきたものである(https://www.laciviltacattolica.it:このウェブ版にはこれまでイタリア語以外に、英語・スペイン語・フランス語・ハングル語版があった。残念ながら日本語は入ってない。アジアに於けるバチカン外交の重点の在り方が明確に示されている)。そもそもフランシスコ・ザビエルが日本に上陸したのも中国伝道の橋頭堡としてであり、たった2年の日本滞在、600人余の信者を獲得しただけで、渡航目的を果たせそうにないので日本を去り、ゴアを経由して中国入境を試みるが、1年後に広東省の上川島でなすすべもなく病没した。享年46歳。

 私はイエズス会士の現教皇が「フランシスコ」を教皇名に採用したことについて、奇異の念にとらわれざるをえなかったが、それはかつての日本布教でもイエズス会のライバルであったフランシスコ会の創設者のアッシジのフランシスコを採用したと受け取ったからである。しかるに、教皇着座以来の彼の妥協的な親中国外交を見るにつけ、彼の秘められた真意は「フランシスコ」・ザビエルの果たさざる夢の実現にあるのでは、と思わざるを得ないのだが、これははたして妄想にすぎないのであろうか。彼は現在すでに83歳で、中長期的展望は望むべくもないとはいえ。

 バチカン市国国境よりBorgo Santo Spiritoを東に歩いて数分に位置するイエズス会総本部(Casa generalizia della Compagnia di Gesù a Roma)内では、たぶんそんなジョークが話されているはずだ。

左のイエズス会総本部からサン・ピエトロ方向(西)を見る
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