月: 2020年5月

世界キリスト教情報第1529信:2020/5/11

= 目 次 =      
▼ドイツ各州が「都市封鎖」制限解除を加速      
▼教皇フランシスコ、カナダのオタワ首都大司教区と隣接教区を統合      
▼ノルウェー教会がトゥベイト前WCC総幹事を監督会議議長に任命      
▼リオの巨大キリスト像もマスク姿に
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今後はたして困窮死が我らを襲うのだろうか

 私は年金生活者なので、スズメの涙とはいえ2か月に一回規定通りの年金が銀行口座に振り込まれるはずなので、全然まったく実感はないが(というのは嘘で、たぶん今後どっかの津波のあと始末と同じく、わが愛すべき国家は我らの年金を狙って減額してくるはずで、我ら老人は運良く生き延びたとしても、やっぱり今後一層の困窮化は免れないだろう)、以下の書き込みで「航空、観光、小売り、娯楽、外食、自動車、電機・部品、アパレル」が、すでに「自粛以外にもインバウンド消費の消失とオリンピックの延期という3重苦になって壊滅的ダメージを受けており、先の見通しがつかない状況である」としている。https://www.mag2.com/p/money/750924;https://www.mag2.com/p/money/917758?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000204_sun&utm_campaign=mag_9999_0510&trflg=1

 かなり大仰な表現に思えてならないし、そうなることを望みたくもない予測であるが、ひょっとしてアメリカ的資本(拝金)主義の屋台骨が一層揺らぎ、はたして新たな世界構造の創成、産みの苦しみになるのかどうか(逆に、もっとひどくなるとの予想もある)、注目していければと思う。

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疲労は目から:痴呆への一里塚(21)

 溜まっていたラテン語訳を昨晩気張ってアップしたら(全部はできなかったが)、今朝は体がだるい。素人見立てだが、足などリンパ腺沿いあるいはツボ沿いに抑えてみる。そうこうしていると肩の凝りにも気付いた。妻に言わせると、もう歳なんだから無理しちゃ駄目、というわけだが、昔から無理しないと何も前に進まないのでしょうがない。血圧を計ってみたが140台と80台なのでそう悪くはない(あ、降圧剤は飲んでます)。

 今日はゆっくりするしかないと日中はぐだぐだごろごろ、うとうとしているうちに時間が経ち、夜になって体調は平常に戻ってきたが、今度は目の焦点がおかしくなって。というわけで、どうやら目の酷使が体調変調の原因らしいと素人診断。こうして段々仕事ができなくなっていくのだろうか。

 こういうとき、どういう巡り合わせか、パソコンまでおかしくなる(得てしてそういうものだ)。動作ののろさにはこれまでだましだまし付き合ってきたが、今回新機軸は突然勝手に再起動し出したことで・・・。ま、購入して九年とか六年物だったりするので、寿命といえば寿命なのだが、年金生活者には新規購入はたいへん痛いのである。

【後日談】ケーブルテレビで宣伝していた目のサプルメントを購入してみる気になったが、さて、結果はどうなるだろうか。

 

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マスコミはいつの間にこんなに迎合姿勢になったのか:遅報(32)

 A日新聞の系列でウェブ情報の「論座」というのがある。今回別件をググっていたら、旧聞に属するが、某ノンフィクションライターが書いた「なぜファンは進次郎氏を見捨てたのか」(2019/10/11)がたまたま目にとまった:https://webronza.asahi.com/national/articles/2019100800002.html。かのライターはその中で、人気が急激に凋落した小泉進次郎代議士に関して、「以前から報道関係者たちは、進次郎氏の政治家としての実力に疑問をもっていた」、だが彼は当時女性の人気が高かったので「この層はマジョリティであり、政治家だけではなく、メディアも無視できない。彼女たちが拒否する情報は報道できなかった」、「メディアは読者や視聴者の欲望に応えていく」ものだから、「今現在、小泉進次郎への批判的な報道を求める人が増えているから、そこに向けて、記事を提供している」としている。

 本音を書いているといえばそうなんだろうが、私のような旧人類からすると「なんとまあ、ぬけぬけとお書きになっていることだ」という印象なのである。私は建て前を滔々と述べる姿勢も嫌いだがしかし、かつて報道関係は「社会の木鐸」といわれてきたが(表向き言われているだけで、実態はそんな立派なものではない、という思いもあるが)、これではまるで、ひたすら売らんかなの、大衆迎合的な悪しきポピュリズムの走狗ではないかっ。まさにマスゴミ、語るに落ちた劣化である。

【追記】昨晩読んだ本、田原総一朗『大宰相田中角栄:ロッキード裁判は無罪だった』講談社+α文庫、2016年;初版、2002年)の、「文庫版あとがき」に以下の下りがあった。田中の権力の源泉はカネであることを知っていながら、どの新聞も追究できずにいた。そうしたときに、『文藝春秋』でフリーランスの立花隆と児玉隆也が書いて、田中を失脚させた。「圧倒的な取材力を持ったメディアがフリーのジャーナリストの後塵を拝したことで、新聞もテレビも相当に苛立っていた。苛立ちが極限まで来ていたために、すべてのメディアがロッキード事件では全面的に田中角栄を叩いた。悪の元凶であると、これでもかこれでもかと新聞もテレビも、毎日のように大々的に報道し、田中に十字架砲を浴びせかけた」(p.603-4)。いつものように吠えまくる田原節の炸裂だが、知ってても沈黙していて、ずっと前からメディアは権力の補完にすぎなかったわけだ。古くは戦時中のA日新聞社の大本営べったり報道もあったし。その彼が提唱したアメリカ謀略説を「噴飯もの」「ガセネタ」と一蹴するのが立花『政治と情念:権力・カネ・女』文春文庫、2005年(原著『「田中真紀子」研究』文藝春秋社、2002年)p.370-377)だが、まあなかなかの説得力で、その後、6歳年長の田原は反論も自説撤回もしていない。となると、この二人、場外乱闘もありみたいな。

 とはいえ、圧倒的な優位にあった新聞にすでに昔日の面影なく、テレビもアホなバラエティばっかで、私のような無告の民は文春爆弾や、ネット情報に期待したくなるのである。ま、そこはそこで玉石混交ではあるが。

【追記2】私が納得できる新聞社の落とし穴への論評が出た。「文春砲と新聞社、決定的違いは「ニュース感覚」:業界内の「特ダネ」競争から抜け出せない新聞社の体質」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60744?page=1)。私的にいうと、柳田邦男氏がくり返していた「調査報道」の軽視が新聞凋落のボディブローになったと思う。そういう心意気を持つ記者が少なくなり、それを評価する上長が少なくなり・・・、ということだろうと思う。

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100年前の写し絵:スペイン風邪と日本

 歴史は繰り返す。しかし学校でもスペイン風邪なんか教えていないから、教訓を学ぶこともできない(否、たとえ教えられたところで覚えてもいまい)。A日新聞が面白いウェブ記事を掲載(但し、有料会員限定記事:チョンボして一つだけお見せしよう)。さて100年後にはどのような記事が載るのだろうか。

https://digital.asahi.com/articles/ASN4S4CYPN4FUTIL01M.html?iref=pc_rellink_01

 しっかし、100年前はマスクは黒だったの? 初めて知った。いつから白くなったのだろう(新聞の写真では白マスクだった:謎が深まる)。

【追記】なんと、平凡社が出している東洋文庫(2008年出版)に、内務省衛生局編『流行性感冒』1922年3月、が含まれていた! 所謂「スペイン風邪」の流行は1918-20年なので、素早い対応だったと思われる。上記のポスターもそれに掲載されているもの(但し白黒):https://www.niph.go.jp/toshokan/koten/Statistics/10008882-p.html

 だが、このような調査がその後に、いや今回の新コロナ騒ぎにおいて何ら教訓となっているように思えないのは、いかにも日本的、とつい言いつのりたくもなる。当時編集した内務官僚たちは、あの世でさぞ無念の思いにとらわれていることだろう。

 とはいえ、我らが常に尊敬し鑑にしてきた西欧諸国も今回ぼろぼろの状況なのは、どうしたことか。これではアメリカ大統領の無策のせいにしたところで説明出来ないだろう。むしろ我らが愛する安倍首相のもと、日本は特段の効果的施策をしていないにもかかわらず、まだ軽症ですんでいるというトンデモ現象があるからだ。台湾は言うまでもなく、できれば沈没してほしいと思っている我が同朋が多い文在寅大統領指揮下の韓国など、もっと立派な成果を挙げちゃっているのだからなにをかいわんや、だ・・・。

 感染症とはげに面白い現象ではある。所詮政治家は結果論だが、今回の騒動を見ていると、それは当事者の理念とか指導力・政策とかとは別の変数が働いている、といわざるをえない、のかも。

 ということで、以下の警句が思い出されてならない。「天災は忘れた頃にやってくる」(伝・寺田寅彦)。彼は関東大震災後の被害調査に従事した。参照:http://www5d.biglobe.ne.jp/~kabataf/torahiko/torahiko.htm

寺田寅彦:1878-1935
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嘘つきは数字を使う:飛耳長目(42)

 私のような文系は数字に弱いという負い目があるので、数字に騙されやすい。それを平易に説明してくれている記述があったので、紹介する。ま、早い話が半分は自著の宣伝ではあるが。

「統計調査に踊らされる人は「疑い方」を知らない」:
https://toyokeizai.net/articles/-/347724

 私がまだ教員駆け出しの頃、最初に就職したのは大学の一般教養要員だったが、大学のほうに児童学科ができるまでは担任業務や授業時間数など短大の幼児教育学科のほうの職務が多かった。そこで畑違いの「領域社会」をやらされて、目を白黒させていたのだが、おかげで歴史学とはまったく異領域の研究者と親しく接する機会もあった。そこでもっとも勉強になったのは、「社会調査」の手法を学べたことだ。学生たちが卒業研究でアンケートをとって結論を導く。なので、私もその世界に関わらざるをえなかったのだが、見よう見まねでアンケートにおける一定母数の必要性、有意差検定抜きに判断してはならない、といった表ワザだけでなく、希望する結論を導こうとするなら項目の問いかけに工夫をすればいいのだ、とか、無記名アンケートを装っての記入者特定方法という禁じ手の裏ワザまで学ぶことができたのであ〜る。

 この体験によって、数字とは自説に相手を同意させるための方便以上のものではない、ことも分かったし、あろうことかそっちの専門の先生からは「あなたのような資料の母数が少ない西洋古代史の場合は、統計は無意味で、数字よりも熟練した研究者のカンの方が正鵠を射ているものですよ」という、有難い言質もいただけたりもして、早くそうなりたいものだと思ったものだが、さて最晩年を迎えて果たしてその域に達しているのかどうか、大変心許ないことである。

 かくして、本日の教訓:「数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う」。おお、どこかの総理大臣に捧げたい一句である。被支配層の我々が心すべき格言。

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世界キリスト教情報第1528信:2020/5/4

= 目 次 =      
▼教皇、ストリートペーパー関係者に励ましのメッセージ      
▼ユダヤ正統派指導者の葬儀でニューヨーク市長が「強制解散」      
▼ロシア『至聖三者聖セルギイ大修道院』の修道士見習いが焼身自殺      
▼ドイツ極右政党がファシスト自称の報道官を停職処分      
▼マルタ騎士団のデ・サンギネット総長が死去

 今日は、最初の記事の情報の拡散を期待しつつ(ささやかながら私も参加する:四谷でも販売者さんが立っているのを目撃してきたし)、それと2番目を紹介しようと思う。

◎教皇、ストリートペーパー関係者に励ましのメッセージ  
【CJC】新型コロナウイルスが猛威を振るい、パンデミック(世界的大流行)危機の影響下にある中、『ビッグイシュー』など「ストリートペーパー」の販売者は最大限の予防対策を迫られながら販売を続けている。販売者にとって、路上が生きる場であり、そこでの仕事が唯一の収入源、名実ともに死活問題だ 。  
 バチカン(ローマ教皇庁)の公式通信『バチカン・ニュース』は、教皇フランシスコが、世界のストリートペーパー関係者に、書簡を通じて連帯を表明した、と伝えている。  
 教皇は、パンデミックがもたらした多くの試練のために、無数の人々が、生活の変化を余儀なくされ、厳しい困難に立たされている、と述べ、特に最も弱い立場にありながら、最も重い犠牲を強いられている、ストリートペーパー販売者たちに挨拶をおくった。  
 『カリタス・イタリア』が始めた『スカルプ・デ・テニス』誌が、収入のない130人以上の人々に市民としての基本的権利を取り戻させたことをはじめ、世界35カ国、25言語で発行されている、100以上のストリートペーパーが、およそ2万500人のホームレスの人々に仕事と収入を保証している、と教皇は言及した。  
 何週間もの間、これらのストリートペーパーは販売されず、それを売っていた人々が仕事を失っている状況に、教皇は編集者、ボランティア、このプロジェクトによって生計を立てる人々、そしてこの間にも多くの新しいアイデアをもって尽力する人々に、連帯を表明した。  
 パンデミックの影響で仕事が困難になっても、世界のストリートペーパーはさらにたくましくなって戻ってくるだろう、と教皇は指摘、貧しい人たちを見つめ、現在起きていることに対する意識を呼び覚ますよう呼びかけた。  
 教皇は、「皆さんが伝えてくれるニュースと、皆さんが語る希望に感謝します」と述べ、ストリートペーパー関係者に励ましと友情のメッセージをおくられた。  

 日本でも外出を控えるよう訴えられており、路上が生きる場であり、そこでの仕事が唯一の収入源の『ビッグイシュー』(日本語版)販売者には、名実ともに死活問題。  
 行政当局や他の支援団体とも連携して、路上生活者が身体を休める個室の確保などを話し合う中で、販売者を少しでも経済的に応援するため、3カ月間限定で通信販売を行うことにした。  
 3カ月分の雑誌計6冊を申し込み者に郵送し、販売収入の半分以上を、仕事ができない販売者に支給する。2000人の参加目標が達成できれば1人当たり4万6000円程度の現金給付を行えるという。
※希望される方は6月30日までに『ビッグイシュー日本』のサイト(https://www.bigissue.jp/buy/subscription/reg3month/)で。
◎ユダヤ正統派指導者の葬儀でニューヨーク市長が「強制解散」  
【CJC】ニューヨーク市ブルックリン区で4月28日、新型コロナウイルスに感染して死亡したユダヤ教超正統派の指導者の葬儀に際し、約2メートル強の「ソーシャル・ディスタンス」(社会的距離)を確保するという外出制限に反して大勢のユダヤ教徒が交差点にあふれるほど繰り出し、警察官ともみ合いになった。  
 ビル・デブラシオ市長が現場に乗り込み、警察が参列者を帰宅させる任務を監督した。市長は同日夜、ツイッターで「ユダヤ人社会」を名指しして批判。「警告の時は過ぎた。多数で集まる人には召喚か逮捕をするよう市警に指示した」と書き込み「大規模な集会はさらなる死と悲しむ家族を生むだけだ」と強調した 。
 デブラシオ市長は29日の記者会見で、集まったのは「数千人」規模だったと説明。「互いを感染の危険にさらし、駆け付けた警察官をも危険にさらした」として、葬儀を行ったユダヤ教超正統派コミュニティーに対して「宗教上の理由であっても許されない」と指摘、今後も「社会的距離」を無視した集会が開かれた場合は、強制的に解散する他、逮捕する可能性もある、と警告した。  
 ニューヨーク市では、これまでも一部のユダヤ系市民が葬儀や祭日などに集まり、市警が警告するケースがあった。  
 100万人以上とされるユダヤ系市民からは「一部の行動でユダヤ人全体を批判するのはおかしい」「反ユダヤ主義をあおる」などの反発の声も上がっている。  
 ニューヨーク州内の感染者は約30万4千人で、死者数は前日より306人増の1万8321人となった、とアンドリュー・クオモ州知事は30日の記者会見で語った。□
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ポーランドよりメール:飛耳長目(41)

 ゼミ生だった林俊明君から近況メールが本日届いた。彼はフランスに留学して博士号を取得したあと、縁あって2年前からポーランドで日本語教師をしている。先日のラテン語のテレワークに江添氏がサプライズで招待したので久々に彼の顔を見ることができた。もっと早くからテレワークすれば一緒に翻訳できたわけだが、時差が7時間あって、あちらは活動中の真昼なので、なかなか難しいという事情もある。以下、彼の許可を得て転載する。

 彼には2018年2月のフランス調査旅行でたいへんお世話になった。その時の体験は2018/2/22のブログに掲載している。彼は上智大学史学科のブログ「卒業生の声」にも一文を寄せてくれている(https://dept.sophia.ac.jp/human/history/contributed/page/4/#post-42)。

豊田先生並びに皆様:林@グダニスクです。 
 火曜日はご招待いただきありがとうございました。久しぶりでしたが、非常に楽しい、有意義な時間を過ごすことができました。火曜日はあまり時間がなく、こちらの現状をあまりお伝えすることができなかったので、ちょっとご報告申し上げたいと思います。

 ・ポーランドの全般的現状について感染者は13000人に迫り、死者は400人以上出ています。こちらでは1月からコロナウィルスについて話題になっていましたが、初めは遠いアジアの話でした。2月中旬から国内で患者が出始めて、そのうち国境も封鎖されて、国内の移動も最低限の移動しかできなくなりました。国内の飛行機は全て運休、長距離列車も通常の1割か2割程度しか動いていません。交通機関は休日ダイヤで動いていますが、定員の半分しか乗車できず、座席の半分には✖︎印がついています。3月中旬から学校が休校になり、会社もテレワークが推奨されました。2週間くらいで公立の学校もオンラインで授業をするようになりました。その後、大規模商業施設の閉鎖や不要不急の外出をしないように政府から要請されていますが、この国は国民性からか政府の決定に従順で、あまり大きな混乱は起こっていません。面白いのは、65歳以上の人優先の買い物の時間が設けられていて、朝10時〜12時のあいだは全てのお店は65歳以上の人のみ入ることができます。このおかげで私の日々の生活パターンが崩れました。午前中に授業がない日は、午前中に買い物をして午後に授業の準備をしていましたので。今は午前中に授業の準備をして、昼から買い物に行っています。外出にマスクは必須で、していないと罰金があります、またお店への入場時は手袋着用するか消毒液をつけることを求められています。これでも少し緩和されまして、2週間前までは公園や森、ビーチは立ち入り禁止でした。

 ・仕事についてゼミの最中に少し申し上げましたが、今は全部オンラインでやっています。3月13日金曜日までは通常通りに授業をしていましたが、その前日12日にいきなり14日土曜日以降の授業は全てオンラインでするようにとの連絡が来ました。
 もともと、自分の学校は通常のクラス授業と個人レッスンの他にGoogle Meetでのオンライン個人授業もやっています。なので、私もオンラインの個人授業の経験はありました。私は火曜日から土曜日が仕事日で(日曜と月曜が休みで土曜日午後も授業なし)、9人相手の授業があり、多人数相手のオンライン授業は初めてなので初日はかなり大変でした。またクラス授業は6つ、個人授業はもともとオンラインのものも含めて6つあり、合計週15時間程度授業時間がありますが、今回の騒動前に比べて準備にかなり時間がかかるようになりまし たね。当然生徒やクラスによってレベルも教科書も違い、教え方も変えなければいけないので(特に個人授業は)、まだ試行錯誤といったところです。クラスの場合はアクティビティーをして、ロールプレイングをやったりもしますが 、オンラインでは無理でなかなか困っています。それに会社作成の教科書を初級レベルの生徒に普段は印刷して渡しているのですが、今回の騒動で渡すことが出来ず、郵送での発送も秘書の保健上の理由と送料が膨大になることからできずに困っている状況です。教科書は著作権の関係でPDFをメールで送ること は禁止されており、Googleドライブ上の閲覧のみ可のファイルだけ共有している状況で、生徒は紙の教科書もなく不便を強いています。生徒もオンライン環境が整っていないという生徒は、授業に参加しなくなっています。クラスによっては、出席する生徒が半分程度になっているところもありますし、ずっとキャンセルが続いている個人授業もあります。

 ・私の日常生活について私の学校はポーランド南部のカトヴィツェに本社があり(日本語教育以外にも、日ポ間のビジネス仲介や旅行業をしています)、先生が今現在4名本社にいます。先生はみんな学校のあるオフィスビルから徒歩1分のアパートに住んでいて、町の中心の広場からも30秒なので非常に便利です。他に、ポーランド各地(ワルシャワ、グダニスク、シュチェチン、ルブリン、ヴロツワフ、リブニク)に各1人ずつ先生がいて、さらにクラクフにカトヴィツェから先生が分担して授業をしに出張しています。私も毎週火曜日にクラクフに片道1時間半くらいかけて行っていましたが、オンライン後はもちろん行っていません(このクラクフ出張が非常に辛いです)。テレワークになるということで、家からオンラインで授業ができるようになるのかと思ってましたが、学校からカトヴィツェのみアパートのネット速度が遅いので、テレワークとはいえ学校に出社して授業をするようにとの通告がありました。学校は近くて授業に必要な資料はみんなそこにあるので行って授業をするのは構わないのですが、同じビルの同じ階にコールセンターのオフィスがあって、このテレワ ークの時でも一部屋に10人以上常に人がいるのが非常に気になっていました。当然、トイレや洗面所、エレベーターを共用するわけで。

 そうこうしているうちに彼女から、心配だし一緒に住まないかと言われて、社長からも行くことの許可が下りて、4月6日からポーランド北部のグダニスクに来た次第です。ちなみに4人いる同僚のうちの1人も、オンラインが決まってからすぐ彼女の家に移りました。今いるグダニスクのアパートは、海からも徒歩10分程度で公園もあり海沿いにずっと遊歩道もあったりして気に入っています。グダニスクはドイツ領だったことが長い都市で旧市街は二次大戦後復興されて非常に綺麗です(旧市街からトラムで30分かかるので行ってませんが)。今いるのは郊外ですがドイツ風の一軒家や建物も見ます。建築様式は、先生と一緒に行ったフランスのメスに近いですね、あそこもドイツの領土で建物の建築年代も同じ頃ですから。生活ですが、向こうの家族と同居なので、なかなか大変です。ラテン語以上に格変化が激しく(男性、女性、中性に加えて、男性は生物と無生物で変化が違う)、動詞活用も複雑なポーランド語を早く覚える必要があります。ご飯は、ドイツに似て肉、ジャガイモが多い食事ですが、彼女がベジタリアンに近い人間なので(肉をほとんど食べない)、野菜を他の家庭より食べられるのが幸いです。とはいえ、向こうの家族からはとてもよくしてくれていて、非常に感謝しています。ちなみに、9月からワルシャワに転勤になりそうですが、グダニスクかその近郊のグディニアで将来は勤務出来るよう今要望を出しているところです。

 火曜日は会議があり、授業の準備もあるので参加出来るかわかりませんが、皆様も健康にお気をつけください。
 それでは。
カトヴィツェ市内のNikiszowiecと呼ばれる地区で、20世紀初頭にドイツ人の実業家が炭鉱と製鉄所で働く労働者のために建てた団地です。カトヴィツェのあるシロンスク(ドイツ語でシュレジェン)地方は石炭と鉄鉱石が豊富で、19世紀以降に急速にドイツの統治下で工業化しました。人口増加に伴って労働者の住居が必要となり、レンガと赤色で縁取られた窓枠はポーランド語でFamiliokと呼ばれるシロンスク地方の特徴的な建築様式で、このような団地がドイツ人の手によって多く建てられましたが、中でもNikiszowiecは観光地化して綺麗に残っています。他のところは現在廃墟になっているか、貧困地区になってスラムみたいになっているところが多いですね。
グダニスクの旧市街と運河の写真です。もともとドイツ人の多い街で第二次大戦まではドイツ人の人口が95%以上でした。第二次大戦で旧市街は8 割以上破壊されて、ドイツ人が追放されたあと、ドイツの要素を徹底的に排除してドイツ支配下になる前の17世紀のグダニスクの再建が試みれました。ちなみに旧市街以外の戦争で破壊されなかった建物は、ドイツ的な建築がそのまま残っています。グダニスクは非常に綺麗で観光客も非常に多いです。
ワルシャワの王宮広場です。右側にあるのが、王宮で奥が旧市街です。どちらも1944年のワルシャワ蜂起のあとにナチスの手で徹底的に破壊されましたが、その後元通りに再建されました。
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今朝、BS4Kでアーチを学んだ:飛耳長目(41)

 本日5/2の「ジオ・ジャパン」で九州を扱っていた。例のごとく、聞くともなく聞いていたら、耳に飛び込んできた。九州は火山活動が活発で高千穂峡みたいに川の両脇がそそり立つ地形が多かったので、普通の橋を架けられず、西欧から学んでアーチ(石)橋を取り入れた、と。材料の火成岩が豊富だったこともある。入試問題で古代ローマのひっかけで九州の通潤橋の写真を出題したことがある私であるが、「九州ではなぜ」と問うことがこれまでなかったので、新鮮な指摘であった。

熊本・通潤橋

 古代ローマ建築はアーチ構造を基本にしている。ということは、イタリアなど地中海世界も九州と同様だった、否、だからこそそこでアーチが登場・多用されたのではないか、という思い付き。

スペイン・トレド・アルカンタラ橋

 だが、こんなことその向きでは先刻ご承知のことなのだろうが。読んだかも知れないが、記憶にない:私はいつもこんな調子だ。セゴビアの水道渠に触ったとき、その石材がなんと日本では墓石の花崗岩だと初めて知った、でも家に帰って本をみたらあたりまえのことだが、ちゃんとそう書いてあった。読んだとき関心もなかったので読み飛ばしていたのであろうが、百聞は一見にしかず。そんなことから、建物構造や、トンネル構造のアーチと、橋梁構造のアーチ、どちらが起源が早かったのか、気になりだしている。

スペイン・セゴビア水道渠
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今日みつけた呪詛板関係4つ:遅報(31)

 他のことをググっていたら、目についた。とりあえずメモっておこう。

① 2003年ピレウス発見の、2400年前のギリシアの呪詛板:

https://www.livescience.com/54285-curse-tablets-uncovered-in-greece.html;http://karapaia.com/archives/52215623.html

② 2013年に、エルサレムで発掘された1500年前の呪詛板:

http://karapaia.com/archives/52205572.html;https://www.livescience.com/ancient-curse-of-dancer-deciphered.html

③ 20世紀半ばにイタリアの発掘隊によってイスラエルのカエサレイアの劇場跡から発掘された1600年前の呪詛板:

http://karapaia.com/archives/52205572.html;https://knowledgenuts.com/2015/11/13/the-mysterious-curse-tablet-found-in-the-city-of-david/

④ 約2700年前のアッシュール出土の粘土板にてんかん発作の原因とされていた悪魔の姿が描かれていた。http://karapaia.com/archives/52287454.html;


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