映画「初恋の来た道」:遅報(55)

 BSスターチャンネルで偶然、本当に久し振りに映画「初恋のきた道」我的父親母親(1999年、チャン・イーモウ監督、チャン・ツィイー主演)を見た、見てしまった。

 あれもこれも、すなわち、純朴な農村風景。水汲みの重労働、家族のための機織り、学校も村民総出で造り、独身教師の食事は村民の回り持ち、そして・・・、初々しい自由恋愛の初恋の成就と、表だって触れられることはない文化大革命の世情に翻弄されながら、人はいずれ老いて死んでゆく。いや建物すら朽ちてゆくのだ。そこに関わった人間の中に思い出として、暫時留まりはするが。

 あの、決して豊かでも清潔でもなかった時代の農村、昔の日本もそうだった。古き良き時代か。しかも、登場人物はみないい人ばかり、となると、まあ大人のメルヘン映画といわれてもしかたないだろう。さりながら私など不覚にも涙が出てしまうのはなぜ。

 そして今、かの強権国家、中華人民共和国のご登場である・・・。

 昔、別の意味で大感激した「黄色い大地」黄土地(1986年:チェン・カイコー監督、チャン・イーモウ撮影)や「景徳鎮」(1988年:シェ・チン監督、リウ・シャオチン主演)をまた見たくなった。ああいうさりげなく因習・体制批判を織り込み主張を持った映画作りはもう見ることできないのだろうか。そうは思いたくない。

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