田中宇氏の獅子吼を読んで情報バランスをとる

「人の噂も75日」という。日々生きていくのに忙しい大衆の関心は長続きせず、飽きちゃうのである。そしていつしか忘れ果てる。今回の戦争が始まって、そろそろこの75日が近づいているが、気のせいかウクライナ関係の論説が激減してきたように思えるから、飽きちゃうのは知識人も同じような気もしてくる。本当はこうであってはならないのが知識人のはずなのだが。

 そんななか、いつもかなり角度のある持論を展開する田中氏が、相変わらず意気軒昂であれこれ書きまくっている。「ウソだらけのウクライナ戦争」(https://tanakanews.com/220503ukrain.htm)を5/3に書いているので、興味ある人には一読をお勧めする。

 彼の論調の端々までも私は納得しているわけではないが、大本営発表を鵜吞みにしてはならないとはよく聞く格言であるが、日本のマスメディアは米国側の大本営発表を垂れ流しにしてきた、という彼の指摘はその通りだと思うからである。

 マスメディアのほうも一時の悪のロシアというレッテル貼りがだいぶ薄れてきて、それなりに読ます内容がようやく目につきだしている。

「「発言するほどロシアの術中」核の瀬戸際外交、専門家がみる米の過ち」(https://www.asahi.com/articles/ASQ4Z45WRQ4WUHBI02L.html?ref=mor_mail_topix1)

「ロシア兵を「残虐」にしたものはなにか ウクライナに学ぶ日本の安全保障」(https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20220422/pol/00m/010/016000c?cx_fm=mailhiru&cx_ml=article&cx_mdate=20220425)

「ウクライナ戦争で“大儲け”のアメリカ。最も利を得たバイデンの胸中」(https://www.mag2.com/p/news/536122?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000001_fri&utm_campaign=mag_9999_0422&trflg=1)

「プーチンの「モンスター化」を助けた米国が犯し続ける対ロ政策の失敗」(https://www.mag2.com/p/news/536125?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000001_wed&utm_campaign=mag_9999_0420&trflg=1)

 それにしても、我が祖国は75年間戦争行為に直接捲き込まれることがなく、2世代半を平和ボケの中で過ごしてきた。他国で何が行われていようが、それは他人事だったわけだ。その挙げ句、平和教育なるものは行われてきたにしても、その効果は上滑りだったことが今回暴露されているように思う。大本営発表に唯々諾々と従ってしまうのだから。

 残虐行為はどちら側でも行われてきた(第2次大戦後の占領地で戦勝側の連合軍兵士が何をしてきたか、ちょっと調べれば分かるはずなのに、それに触れることは余りにも少ない:何が言いたいのか分からない人がいるだろうから書いておくが、米兵の強姦のことだ。ドイツはもとよりフランスでも大問題だったらしい。日本ではしょうがないので政府のお声掛かりで5000人の娼婦を集めて対応したそうだ。それが沖縄では今でも生じている現実がある)。愚かなる人間は過去の歴史に学ばないのである。そして、戦争とは残酷なものだという実態を体験していない世代は、なすすべもなく再び過ちを犯してしまうしかないわけだ。

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