情報の落差、事実を知る勇気

 1ヶ月前発信の以下の記事を5/7になってようやく読んだ。そこでの叙述はこれまでの一方的に煽るような日本のマスメディアとはひと味もふた味も違っていた。

「ロイター編集 アングル:後ろ手に縛られ頭部に銃弾、キーウ近郊ブチャの惨劇」(https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-bucha-idJPKCN2LX0AF)。

「ロイターは、死亡した住民を誰が殺害したのか、独自に確認することはできなかった」。実際にはその大部分がロシア側によるものだったにせよ、これが事実検証以前においては正しい態度のはずだ。数字も十把一絡げでなく、数百の死体の中で処刑スタイルで射殺されていたのは約50人と明記しているのも正しい情報の提示の仕方である。米欧のマスコミの一部には至極まっとうなその態度があったのだが、これがNHKをはじめ日本のマスメディアにかかるとなぜか欠けてしまい、大幅に水増しされ捏造された「大本営情報」に歪曲されてきたことを思い返さなければならない。距離をとって死体をそれなりに見せているのも、私には戦場の写真として当然の手法と思える(それにしたって、死体の実態はこんなきれい事のみではありえないが:悲惨さは本物の写真を見ることでしか愚者には伝わらない:同じ思いを私は東日本震災で人々を襲った悲惨な状況を、マスコミが隠匿していたと感じてきた。真実は現場で処理した自衛隊員たちが知っている)。

 ウソだと思うのなら、状況は違うが、原爆下での大沢(旧姓・吉川)美智子さんの以下の体験記のご一読を。https://suiyukai.com/?p=2269 これが、アメリカによるジェノサイドよる77年前の日本の非戦闘員(いつの場合も、単純にそうとは私は思っていないのだが)の受けた悲惨な状況の一端だった。その手記の最後の言葉を掲げておこう。「再びこの運命に陥る人のないことを切に願って やみません」。このとおりいっぺんにも聞こえる言辞の真の思いは体験者でないと本当には伝わらないであろう、残念ながら。

 5/7の午前2時、なんと45年前の1978年のドラマ「天城越え」(主演:大谷直子)放映のあと、松本清張関連で戦後の立川の米軍基地とか赤線の話などをやっている(NHK総合「新日本風土記:松本清張昭和の旅」)。今の若い人も今こそこの暗い清張の昭和史の小説を読んで学んでほしい(もちろん清張が書いている推理がすべてが事実であったというわけではないにしても)。いやドラマを見るだけでもいいから。誓っていうが、過去の話ではないのだ。

大谷直子は情感溢れる芳紀28歳。清張を巡礼役で登場させたのは、特異なディレクター和田勉の仕掛けだろう
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