世界キリスト教情報第1639信:2022/6/20:教皇のウクライナ侵攻分析

≪ 目 次 ≫

▽英、プーチン氏支持のロシア正教会総主教に制裁
▽ウクライナの戦争は「おそらく誘発されたか、あるいは阻止されず」と教皇
▽教皇とミラノ大司教区立神学院の関係者らと会見
▽独ミュンスターでカトリック聖職者が性的虐待、子ども610人超が被害
▽米アラバマ州の教会で銃撃、2人死亡
▽動物園のゾウは「人ではない」=NY州最高裁が違法拘禁の訴え却下

 今回は、ウクライナ戦争勃発に関する教皇の見識を紹介する。さすがにすぐれた独自情報網をお持ちだけのことはあって、一方的な反ロシア的言動は慎重に避けている。私的に解説すると、あの戦争の背後にはアメリカが仕掛け人として存在していた、というわけだろう。

◎ウクライナの戦争は「おそらく誘発されたか、あるいは阻止されず」と教皇

【CJC】教皇フランシスコは、ウクライナでの戦争について「おそらく何らかの方法で誘発されたか、あるいは阻止されなかった」との認識を示した。6月14日刊行のイエズス会誌『ラ・チビルタ・カットリカ』に掲載された所見の中で述べた。

 ローマ発CNNによると、教皇は先月19日、キリスト教関連の文化的出版物に携わる団体の責任者と言葉を交わした中で、「我々が今目の当たりにしているのは残虐かつ凶暴な行為に他ならない。こうした戦争を遂行している部隊は大半が傭兵(ようへい)であり、ロシア軍がこれを活用している」と指摘。同軍がチェチェン人やシリア人を含む傭兵を進んで送り込んでいると付け加えた。

 「しかし危険なことに我々は、この点にしか目を向けていない。確かに恐ろしい話ではあるが、それだけでは全体像が見えず、戦争の裏で何が起きているのかが分からない。おそらくこの戦争は何らかの形で誘発されたか、あるいは阻止されなかったのだろう。兵器のテストや売却に関心が向いている印象も受ける。とても悲しいが、基本的に今重要視されているのはこうしたことだ」。

 さらに教皇は、ロシアのプーチン大統領を「支持」するわけではないとしつつ、「複雑な問題を善悪の区別に単純化しようとするのは断じて反対だ。根源的な要因や利害関係について考えることが不可欠で、それらは非常に入り組んでいる」と分析。「我々はロシア軍の凶暴さや残虐さを目の当たりにしてはいるが、解決を目指すべき問題があることを忘れてはならない」と続けた。□
Filed under: ブログ

No comment yet, add your voice below!


Add a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Comment *
Name *
Email *
Website

CAPTCHA