妻は私より半年遅く産まれているので、当年とって76歳である。26歳で結婚したので今年めでたく50年目ということになる。
どこかで書いたことあるような気がするが、彼女がなぜ私と結婚したかというと、文学部に所属して将来的にたいした収入がありそうもないこの男ならずっと働かせてくれるだろう、との思惑があったと私は固く信じている。要するに彼女は55年前に一生職業婦人として人生を全うしたいと考えていたわけである。
その後の状況は彼女の思惑通りとなり、放射線◎◎研究所を皮切りに、岡山県時代に職を得た厚生省医療技官を停年まで勤めあげ、その後もそれ関連で国立病院機構に移り、そこも停年で辞して医療法人に勤務してきた。その妻がそろそろリタイアを考え出したようで、「やめたらなにしたらいいんだろう」と言い出したのだ。
このあたりが私と違うところで、私はリタイア後も本とパソコンさえあればそれまでの勉強を継続できるわけであるが(雑務がなくなっただけ時間的・精神的余裕すらある;但し老化は否めないが・・・)、彼女の場合は職場を離れるとそれまでの人生と切断されてしまうのだから、「なにすればいいのだろう」となるわけである(男性だってほとんどの人が同様だろう)。健康寿命は女性で75.4歳(男性で72.7歳)でもう過ぎているわけだから無理しないで、私としても余生を充実して生きてほしいわけだが、平均寿命まであと10年(男性はあと4年:平均余命だと、それぞれあと15年、11年はある。なんとも先の長い話になるが・・・)、何に生き甲斐を求めればいいのか、これを大問題と言わずしてなんと言うべきか。
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