(9)の原稿を書いていて、待てよと思い付き、ググってみたら、なんと幾つかペルペトゥアとフェリキタスの聖遺物に行き当たった。最初の2つは、ドミニコ会O.P.所属のLawrence Lew修道士のウェブ写真の中にあった。残念ながら所蔵場所は不明である。
もう一つはフェリキタスで、University of Dayton所蔵の160を数える聖遺物の中にあった。大学だからもちろんちゃんとした鑑定書付きである。以下いずれもアメリカ合衆国の事例。
他に大学関係では、University of Notre Dameにもペルペトゥアとフェリキタスの聖遺物がある由(http://faith.nd.edu/s/1210/faith/interior.aspx?sid=1210&gid=609&pgid=13647&cid=28385&ecid=28385&crid=0)。
カトリック教会関係では、ミシガン州のKalamazooにあるSt Mary’s Catholic Church所蔵10数個の中にペルペトゥアもある。
以前、フランシスコ・ザビエルがらみでイエズス会関係の聖遺物が出品されていたことを思い出したので、ebayのオークションも覗いてみた。あっけなくペルペトゥアとフェリキタスがらみで1件出ていた。しかしこっちは「Saints Perpetua and Felicity Kissing Reliquary」と表記されているように、聖遺物というよりは礼拝用の聖具のようで、価格は$1,125。他の多くが$300ー400なので、かなり高価で骨董的な価値があるのだろう。
以下では、「ローマのフェリキタス」という165年頃の別の女性殉教者の聖遺物との触れ込みで$425で販売されていた(https://www.russianstore.com/en/online-store/catholic-reliquaries/item/1092-theca-housing-relics-of-saint-felicity-of-rome-martyr)他、フランシスコ・ザビエルなどのものも10以上販売中。他にも格安な聖遺物が以下で山ほど販売中。https://picclick.com/Antique-Reliquary-S-Felic-Can-Religious-283794401627.html
ところでこの聖遺物調査をしていて気付いたのは、聖ペルペトゥアと聖フェリキタスの聖遺物は伝えられているのに、彼女たちと一緒に殉教したサトゥルスたち男性の聖遺物は見当たらなかった、という事実である。また、一見奇妙な事実にも気付かざるを得ないのは、彼女たちの故郷北アフリカで名のある教会で彼女たちにちなんで命名された教会が皆無であるという現象であろう(しかも、Basilica Majorumで発見された銘板だと、男性のほうが明らかに優位にある。参照、ペルペトゥア・メモ(9))。この逆転現象は興味深い。
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