最近のコロナ談議をめぐって

 感染者の日ごと統計をみてみると、第一波感染よりも第二波のほうが断然多くなっている。しかしこれは数字のアヤなのでそうあてにはできず、死者数を見てみると状況はまったく違ってくる。

感染者数
死者数

 世界の状況は、感染者総数2000万目前、死者総数72万強で、アメリカとブラジル、インドだけで、各々1000万、30万強と、ほぼ半数を占めている。その中にあって日本は現在、感染者総数5万弱、死者総数1060名となっていて、死者数は漸次的増加傾向にあるものの、現段階では未だ第二波襲来とはいえないように思える。

 プラス的展望としては、あてにならないワクチン開発くらいしか思いつかないが、最初手探りであった新コロナも、ここ半年の追跡調査でだいぶ分かってきたことがある(以下、但し有料)。「新型コロナ 自粛不要論は正しいか」(https://mainichi.jp/premier/health/articles/20200804/med/00m/100/010000c?cx_fm=mailhiru&cx_ml=article&cx_mdate=20200805);「新型コロナ:イタリアの最新研究に世界驚愕:「世田谷=ミラノ・モデル」への期待」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61540);「第2波は?「喉元過ぎれば熱さ忘れる日本人」の弱さ:岩田健太郎・神戸大教授」(https://mainichi.jp/articles/20200808/k00/00m/040/103000c?cx_fm=mailyu&cx_ml=article&cx_mdate=20200809)

 問題は今年の年末に例年流行するインフルエンザとの併存状況がどのように展開するか、であろう。20世紀初頭の「スペイン風邪」での死者数は全世界で4000万、5000万、一説では1億ともいわれているし、日本では約38万ないし45万とされているので(http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/pandemic/QA02.html)、現段階に限ってのことだが、新コロナはかなり押さ込まれているわけだが、それがどのようになるのか、大いなる関心をもって注視したい。

 そのとき気になっていることがある。研究者はあたりまえのことだが、理論走っているのが通例である(それ自体けして悪いことではない)。多くの場合、輸入された○○理論に従って、仮説的な数字で警告する。ところが、実際に現場で働いているのは医療従事者であり、そこでの体感に落差が生じるのは当然のこと。専門家として臨床医の見解を聞いてみたいと思う。これもいうまでもないことだが、政府がらみの数字は、我が国に関してはまったくあてにならない。責任逃れのご都合主義が透けて見えるからだ。

 それにしても、ポスト・コロナが話題になっているが、少なくとも私にとっては健康上の、さらに研究上でも大きな影響があった。運動不足、それを図書館利用制限が拍車をかける結果となっただけでなく(まったく自業自得ではあるが)、研究書の相互貸借が謝絶され、コピー依頼も大幅に遅滞しているからである。それでなくとも読むべき文献は多くあるのだが、肝心要の調査発掘資料などが押さえられないもどかしさは、私の場合多大なストレスとなる。この状況が一日も早く元に戻ることを願っている。

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