神様のサプライズ?:研究書のダウン・ロード

 今読んでいるキリスト教殉教者伝の読書会のためテキストをまとめていて気になった史料があって、ググっていたら、研究書が最近になって2つ出版されていることが分かった。

 ただ、私の研究分野の外縁部なので、即発注することはせず、まずは国内大学図書館で検索をかけてみると、幸いなことに我が図書室代わりに、2018年刊の一つは所蔵されていた(英語)。これの価格は170ドル。2014年刊のもう一つは独語で上下二巻らしいのだが、国内未所蔵だった。その場合の定石でAmazon.deで調べたら、すでに版切れとなっていた。それで念のためBookfinderで探すと第二巻のみが古書で出ていて、これが驚いたことに10万円の値がついていた! こりゃ年金生活者には手がでないや、ま、必要なのはどうせ数ページだし、と負け惜しみをいいながら、それでも諦め悪くググっているうち(実はこれまでの体験で、諦めるのはまだ早いのです)、なんと第二巻がダウン・ロードできるサイトにぶつかった。今はやりのデジタル版なんだろうな、ま、クリックしたら800ユーロなんてカード決済の請求が出てくるのだろうが、そこでやめればいい、念のため見ておこうと試しにクリックしてみたら、何の前触れもなくダウン・ロードが開始され・・・。おいおい、こりゃどうしたことだ、というわけで、よもやもしもと欲をこいて第一巻のデータもググってみると(こっちはとりあえず今の私には不用だったが)、これもあっけなく入手完了。というわけで合計1千ページ分の、おそらく少なくとも10数万円はするであろう書籍が無料で手に入ってしまったのであ〜る。

 こんなことを神様が許すはずはない、版権切れしていない本だし、いずれ請求がくるかもと、戦々恐々としてしばらくはメールチェックすることになるだろう。しっかし無料とはどういうしくみなのか、理解できていない私である。

 以前、現職時代に色々の人を煩わして、イタリアから50万円もする3巻本を入手したことあったが(出版社はイタリア以外では販売しない限定出版だとおっしゃっていて、在住者への代理購入のお願い、それの日本への持ち出し、等々)、なんと後日それに掲載されていた論文がインターネットをググれば載っていたことがあり(勿論、無料)、それに偶然気付いたときは、なんなんだー50万返せ〜と一人で毒づいたものだったが、その後、さすがに肝心の写真図版は未掲載だったことがわかり、多少溜飲が下がったことがあった。

 実は数日前にも、研究雑誌で似たような体験していて、学会会員でもないのに、私の主要研究がらみの論文を数点入手している。コピーが山積みになるわけであるが、そんな風に渉猟する中で自分の感性と親近性があってリンクするものと邂逅する僥倖に遭遇できるのだ。まあ山勘だが2,30の論文集めて一本くらいの確率になるだろうか。だからこの無駄骨作業、辞められないのだ。

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