世界キリスト教情報第1562信:2020/12/28;イタリアのクリスマス

= 目 次 =
▼コロナの雲に覆われて世界各地のクリスマス
▼教皇、使徒的勧告『愛のよろこび』の考察深める特別年布告
▼中絶胎児の細胞使用問題でバチカンがコロナワクチン使用容認
▼中国本土の新規感染21人、4日連続確認の北京市は規制強化
▼香港高裁、蘋果日報(リンゴ日報)創業者の保釈を許可
▼ブラジル・リオ市長を汚職容疑で逮捕、再選目指す大統領に打撃
▼沖縄本島中部の教会でクラスター=クリスマスへ県が注意を喚起

今回は、イタリアのクリスマス情報を紹介しよう。

 24日からイタリア全土で都市封鎖が始まった。
 カトリック教会は、国内の信者に対し、近所の教会でクリスマスのミサに参加するよう呼びかけた。ローマにある教会のパウエル・プルスツィンスキ司祭は「クリスマスを家族で祝うことを忘れないで欲しいが、今年は新型コロナに苦しむ世界中の人を思い、みんなで祈りたい」と話した。
 例年なら多くの信者や観光客が詰めかける、バチカンのサンピエトロ大聖堂前広場に立てられたクリスマスツリーとキリスト生誕の場面の模型「プレゼピオ」にも人影はまばら。
 教皇フランシスコが執り行うクリスマスイブのミサも、例年数千人の信者が参列するが、ことしは新型コロナウイルスの感染予防のため、大聖堂に入る聖職者は最小限に絞られ、参列者はおよそ100人と大幅に制限された。参列した人はマスクを着用し、互いに距離をとっていた。教皇は「試練の暗いトンネルから抜け出せないと不安になっていないか」と問い掛けた上で、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が続く状況を念頭に「神は勇気を持とうと言っている」と呼び掛け、共に乗り越えたいとの考えを示した。
 イタリアでは午後10時から夜間の外出が禁止されているため、ミサ開始も2時間早めて午後7時半からになった。
 主の降誕の祭日25日正午から、教皇はローマと世界に向けたメッセージと祝福、「ウルビ・エト・オルビ」(ローマと全世界へ)で「私は全ての人、国家や企業、国際機関の指導者に呼び掛ける。競争ではなく協力を促すよう、全ての人のための解決策を見つけるように」と述べた。そして全ての人にワクチンを、特に、地球の全ての地域の最も弱く最も助けを必要としている人々にワクチンが行き渡るように、と教皇は願った。
 この祝福は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、バチカン宮殿の「祝福の間」で行われ、インターネットなどで配信された。(CJC)□
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