世界キリスト教情報第1600信:2021/9/20

= 目 次 =
▼教皇、スロバキア訪問終了、ローマ帰着
▼教皇、「自由を証しし、創造性と対話ある教会を」要望
▼教皇、ロマ共同体と交流、「偏見から対話へ、閉鎖から融合へ」
▼十字架称賛の祝日に教皇「十字架を見つめ、証しする」
▼バチカンがブラジルの宣教会『福音の使者』に寄宿学校閉鎖を指示
▼ニューヨーク州のワクチン接種、宗教上免除主張で義務化停止
▼ワクチン接種しないと誓った米保守系ラジオ司会者、コロナ合併症で死去
▼スイス政府、妊婦へのワクチン接種を勧告
▼マカオの聖ポール大学跡で人工穴遺跡が一般公開
▼汝矣島純福音教会を創設した趙牧師死去

 今日は、2番目を紹介しよう。
◎教皇、「自由を証しし、創造性と対話ある教会を」要望

【CJC】教皇フランシスコはの欧州訪問の2日目の9月13日、スロバキアの首都ブラチスラヴァ市内の大統領官邸で歓迎式典に臨み、チャプトヴァー大統領や各界代表と会見。続いて、カテドラルで教会関係者とたちと会われた。

 この日、ゴシック様式の聖堂内には、スロバキア各地から司教・司祭・修道者・神学生・カテキスタたちが集まった。スロバキアのカトリック信者は、約339万人、全人口のおよそ73・7%を占める。国内には12の教区がある。

 教皇は参加者への言葉で、ブラチスラバの美しい城に触れつつ、しかしながら教会は高い場所から世界を見下ろす砦のようなものであってはならない、と説かれた。
 教会は福音の喜びを通して人々をキリストへと惹きつけることを願う共同体、と教皇は述べ、世俗的な偉大さへの誘惑に陥ることがないように、と注意された。
 世界や生活から距離を置くことなくその中に住む教会、分かち合い、共に歩み、人々の問いや希望に耳を傾ける教会の姿を示された教皇は、「教会の心は、教会ではない」と話された。
 そして、教皇はスロバキアの教会が、自由を証しし、創造性をもって、対話のうちに歩むことを希望された。

 教皇は、同日午後、神の愛の宣教者会の支援センター訪問、またブラチスラバ市内のホロコースト犠牲者追悼モニュメントの前で、ユダヤ人共同体との出会いを持ち、ホロコーストの犠牲者を思い起こした。
 このモニュメントは、「ショア」(ユダヤ人大虐殺)の犠牲となったスロバキア出身の10万5000人以上のユダヤ人たちを記憶にとどめるために、かつてのシナゴーグがあった場所に建立された。シナゴーグは1969年、共産政権によって取り壊された。

 ブラチスラバは、世紀にわたりユダヤ人の生活の重要な中心地であった。しかし、1940年、ブラチスラバに約1万5000人住んでいたユダヤ人のうち、ホロコーストを生き延びた人々はわずか約3500人だった。
 この集いでは、ホロコーストの生存者1人が、家族と共に体験した恐ろしい悲劇を振り返ると同時に、当時、いかなる政治家でさえも政権に表立った批判ができなかった中で、バチカンの外交官が反ユダヤ政策を止めようと尽力していた、と証言した。
 また聖ウルスラ修道会の修道女は、迫害のさなか、同修道会はユダヤ人の子どもたちをかくまい、国外に逃がしていたことが、生存者たちの証言によって明らかにされた、と語った。

 教皇は、歴史と記憶の場所、苦しみの場所に「触れると共に、心に触れられるために」「巡礼者」として訪れた、と述べた。
 集いの終わりに、ユダヤ教の祈りが唱えられる中、ホロコーストの犠牲者を思い起こすためにろうそくに火が灯された。□
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