「関口宏のもう一度!近現代史」

 2021/12/18:第110回「昭和21年昭和天皇 全国巡幸へ」を、寝起きに途中から偶然みたのだが、なかなかよかった。民放でこんな良質な番組が2019/10/12からあったことを、今まで知らなかったのは迂闊だった。とはいえ、ちょっとは見ていたような。どっかでまとめて見直せたらうれしいのだが。

 その中で保阪正康が平和憲法草案作成について「いまとちがって代議士たちも真面目に検討しているので、それを押し付け憲法といっているのはおかしい」旨の発言をしていてなるほどと思わされたし、東京裁判での死刑判決についてもドイツのニュルンベルク裁判方式を持ち込むことは「状況が違うので最初から無理があった」とか、犯罪人の処罰も色々思惑あって、と核心をついた指摘がされていた。

 それもまあすべてGHQのご威光のもとでの演出といってもいいわけではあるが、そのあたりの熱気とか臨在感覚が失われるにつけ、「押し付け憲法」的な解釈がまかり通りだしたのだろうが、そのあたりの実際のバランスはどうだったのだろうか。

 そうこう考えていたら、予約番組のNHK BSPで「英雄たちの選択スペシャル・大奥贈答品日記」の再放送が始まった。大奥最後の御年寄・瀧山の幕末10年間の直筆日記が出てきたわけだが、司会の磯田道史が、史料がないからこれまで当時女性は政治的に無力だったと考えられていたが、実際はそうでもなかったことになると述べていたのは印象的だった。

 まあ彼女の職分が女性がらみの大奥のこととはいえ、大火の後始末や和宮降稼において彼女が最高責任者だったことが判明しただけでなく、裏のみならず表でも重要な役回り(暗躍)を演じていたという姿が浮彫になったわけで、徳川幕府が徳川家のファミリー支配体制であったということを強調していた点ともども、たいへん勉強になった。

 あれれ、これで京都での学会に参加するのを忘れちゃったぞ。困ったものだ。

【追記】一週間後の12/25の第111回を見て、驚いた。ニュルンベルク裁判での被告24名中死刑判決は12名だったが、その他、裁判抜きを含めて、欧米各国(イスラエルを含む)で大勢の人がリンチで処刑されていたのだ。レジスタンスの報復なのだろうが、フランスなんてひどいものだ。そして実際に多々あった連合軍側の戦争犯罪のほうは免責されてしまう。

 知ればそんなことありえますねというわけであるが、多くの今日に至る情報伝達が恣意的である、ということでもある。詳細をこそ知る必要がある。

 

 

 

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