一週間ほど前、面白いテレビ番組の再放送があった。NHK BS 2018/2/9放送の「コズミック フロント NEXT 「天狼星シリウスのミステリー」
以下、うろ覚えですが。
プトレマイオスの「アルマゲスト」や、キケロやセネカの記録によると、彼らの時代、すなわち古代ローマ時代においては、シリウスは赤色だったという。現在は青白いから、2000年間の間に色が顕著に変わったことになる。
天体や星座の世界で、たった2000年での変化というのは考えがたい現象で、これまでの学説だと数万年はかかるとされてきた。
となるとありえないのだが、多くの学者が入り乱れて色々な仮説を提出した挙げ句、どうやら最近の学説だとこういうことらしい。
恒星は普通青く光っているが、寿命が来ると赤色巨星になり、消滅すると青白く白色矮星となるが、そのとき、特殊な条件下でファイナル・ヘリウム・フラッシュ現象が起こって、わずか数ヶ月で急激に膨張して赤色に変わり、最終的に燃え尽きることがある、のだそうだ。
天体を観測していて、その現象を偶然見つけたのが、なんと日本人の桜井幸夫というアマチア天文家で20年前のことだった。1996年2月、見なれない星が射手座の一角に突然出現したのだ。それは「桜井天体」と名づけられた。
こうして、現在青白く光るシリウスBが昔は赤色だった、という謎が解明されたわけである。
ウェブでは、まだ旧聞の内容しか載っていない。
http://mirahouse.jp/drop/seishu/red_sirius.html
これはどうだ。
http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/topics/2012/0427.shtml
https://photofess.com/entropy/tv_20180214_1/
先般また再放送され、現在NHKオンデマンドで公開中のようだ。見放題だといつでも見ることできるらしい。古代ローマ史をやっているのなら、是非見ておいたほうがいいだろう。
ご感想やご意見はこちらまで:k-toyota@ca2.so-net.ne.jp
宇宙の謎が好きな人にはとても面白い番組でした。
最近の天体望遠鏡などの進化が凄い事になって次々に新しい理論と謎が増えてくる面白い時代になりましたね。
もう3年前の情報ですが、私は宇宙に関しては素人なんですが、そんなことってあるのか、と無邪気に喜んでおります。