2020年の元旦に,閲覧注意(^^):トイレ噺(12)

 明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

 今年こそあの論文まとめないと(^^ゞ 以下、決意表明を兼ねまして。

ゴルフボールらしい:一発必チュウ!を狙います

 元旦の朝10時前にピンポンと鳴った。なんと宅配便のおじさんだ。大晦日の昼過ぎに古書店に発注した本を持って来てくれたのだ。正月早々ご苦労様である。こんなに早くていいのだろうか。なにか間違っているような気がする。

 で、届いた本は『餓鬼草紙・地獄草紙・病草紙・九相詩絵巻』中央公論社、1987年。私的には「九相詩絵巻」がお目当てだったのだが、「餓鬼草紙」の「伺便餓鬼」も興味深い。東博の川本家本と京博の曹源寺本の二巻が残存しているそうで、いずれも来歴が岡山なのがおもしろい。

 こういう六道絵のことを初めて知ったのは、元の職場での大学院の授業で日東西の古代・中世史合同のゼミ発表でだった。私は68年大学封鎖での自主講座以来、こういう分野横断的なゼミ発表大好き人間である。

 六道絵から学んだことは多いが、日本では昔、庶民の場合弔いなんてなくて、葬所とされた野っ原に終末病人や遺体を放置していたとか(「疾行餓鬼」:京都だったら鳥部野ないし船岡の由)、に大いに啓発されたものだが、「伺便餓鬼」での排便の図はよりいっそう惹かれるものがあった。

 平安末期の荒廃した京都洛中の路地の路上で、屋内にトイレを持たない当時の庶民の、文字通り老若男女5名が排便しているわけだが、皆揃いもそろってなぜか当時高価だった高下駄を履いていて、これは用便用の共同使用ではとか、回りに散乱する籌木や反古紙も活写されていて、歴史資料としてなかなかスミに置けないのである。

部分図:反古紙にしたところで,本当に庶民が使っていたのかな。ひょっとしてボロ衣だったのかも
大人用の高下駄をつっかけて母親と連れ便している童が尻拭き用の籌木でバランスとっているのに、注目

 これらはいずれも東博・京博や文化庁のHPでデジタル化されているのは有難い。

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