明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
今年こそあの論文まとめないと(^^ゞ 以下、決意表明を兼ねまして。
元旦の朝10時前にピンポンと鳴った。なんと宅配便のおじさんだ。大晦日の昼過ぎに古書店に発注した本を持って来てくれたのだ。正月早々ご苦労様である。こんなに早くていいのだろうか。なにか間違っているような気がする。
で、届いた本は『餓鬼草紙・地獄草紙・病草紙・九相詩絵巻』中央公論社、1987年。私的には「九相詩絵巻」がお目当てだったのだが、「餓鬼草紙」の「伺便餓鬼」も興味深い。東博の川本家本と京博の曹源寺本の二巻が残存しているそうで、いずれも来歴が岡山なのがおもしろい。
こういう六道絵のことを初めて知ったのは、元の職場での大学院の授業で日東西の古代・中世史合同のゼミ発表でだった。私は68年大学封鎖での自主講座以来、こういう分野横断的なゼミ発表大好き人間である。
六道絵から学んだことは多いが、日本では昔、庶民の場合弔いなんてなくて、葬所とされた野っ原に終末病人や遺体を放置していたとか(「疾行餓鬼」:京都だったら鳥部野ないし船岡の由)、に大いに啓発されたものだが、「伺便餓鬼」での排便の図はよりいっそう惹かれるものがあった。
平安末期の荒廃した京都洛中の路地の路上で、屋内にトイレを持たない当時の庶民の、文字通り老若男女5名が排便しているわけだが、皆揃いもそろってなぜか当時高価だった高下駄を履いていて、これは用便用の共同使用ではとか、回りに散乱する籌木や反古紙も活写されていて、歴史資料としてなかなかスミに置けないのである。
これらはいずれも東博・京博や文化庁のHPでデジタル化されているのは有難い。
- 東京国立博物館所蔵『餓鬼草紙』 – e国宝
- 京都国立博物館所蔵『餓鬼草紙』 – e国宝
- 紙本著色餓鬼草紙〈/(絵十図)〉 – 文化遺産オンライン(文化庁)
- 紙本著色餓鬼草紙 – 文化遺産オンライン(文化庁)
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