知人の手になる書籍が最近手に入ったので、ここでも周知する。
① ピーター・G・ストーン/ジョアンヌ・ファルシャフ・バッシャーリー編(江添誠他、監訳)『戦争と文化遺産:イラク戦争による文化遺産の破壊』白峰社、2021/3、¥2000.
② 堀賀貴編著『古代ローマ人の都市管理』九州大学出版会、2021/8、¥1800.
後者についてはまた触れる機会があると思うので、ここでは特に前者について触れておこう。2003年に開始されたイラク戦争のどさくさの中で、古代遺跡や博物館が略奪された(それに先行して2001年にはタリバンによるバーミヤン大仏像破壊が話題となった:え、あれからもう20年? 早いなあ)。それには世界中の骨董趣味の億万長者たちの意向をうけての窃盗・盗掘団の仕業も含まれていたことを、私は本書で初めて知った。かくして、バクダード博物館から略奪された1万5000点の収蔵品のうち、2年後までに発見された4000点の内、1000点はアメリカで、1067点はヨルダンで、600点はイタリアで、そして残りは近隣諸国で発見された。本書の意義は大きい。
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