やっと入手した文献、されど・・・

 2001年に出版された本をずっと求めていた。数年前にその存在を知ってから、古書検索して継続探査かけてきた。私が学位をいただいたテーマでの書籍だったので、なんとしても入手したかったものだ。著者のZahran女史は大学教育こそアメリカのコロンビア大学とイギリスのロンドン大学で、学位はフランスのソルボンヌ大学で取得したらしいのだが、生まれはイスラエルの版図内のパレスティナのRamallahなので、かのローマ皇帝と同郷というわけではないが、まずこれまでの研究者ではもっとも現地に近い出身、という点だけは間違いない。

 Yasmine Zahran, Philip the Arab : A Study in Prejudice, London, 2001, Pp.154.

 彼女は他にも、おなじころセプティミウス・セウェルスの伝記を書いていて、そっちの古書はまともに入手できたが、しかしどうしたことかフィリップス・アラプスのほうはなぜか手間取って、注文先の古書店からキャンセルしますか、継続しますか、と何度も問い合わせが届いていた。その度に継続お願いしますとやってきた。もう15年以上昔の出版なので絶版は当然としても、ハードカバー以外に紙装版も出ていたようだし、イギリスでの出版物が古書でもなかなか手に入らないのはどうも腑に落ちないのだが。先般渡伊中にまた問い合わせがあったので、試しにBookfinderで久々に検索してみたら、イギリスの古書店が出品していた。それで先のをキャンセルして改めて発注したのだが、問題はその値段で、$16.31の郵送料込みでなんと$700.60だったことだ。

 年金生活者にとってはとんでもない高価な買い物だったが、思い切って購入することにした。渡伊から帰ってきて、送られて来ていたモノをみれば、それほど高度に学術的な体裁とは思えない(史料もほぼ現代語訳使っているし)、ただアラビア語文獻も使っているようなので、これから読むのが楽しみなことではある。ただ処理する順番としてはかなり順位が落ちるのであるが。

 ところで、これには予期せぬ落ちがついてしまった。さっきOPACで検索かけたら、なんと筑波大学図書館が所蔵していたのである・・・。なんともはや、いや昔だって調べたはずだから、その時はなかったのでは・・・、こら、ぼけとんのか、という次第。大学間貸借で借り出して実物みたら、ぜったい購入する気にはならなかっただろうから、なおさらである。

 しかしともかく、ハードカバーのものなので、いずれ図書館に寄贈しようと思っている。なにしろ、7万円超の稀覯本なのであるからして。後続の研究者よ、是非利用して下さい。とほほ・・・

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