投稿者: k.toyota

「家庭内野党」のお言葉

 ただし、有料:https://mainichi.jp/articles/20211117/dde/012/010/011000c?cx_fm=mailyu

 元総理大臣の奥さんの、菅信子さん:「いろいろ考え込んでしまうわね。同調圧力のこと、付和雷同しないと生きにくい日本社会のこと、とりわけ地方ね。それとこれが日本人の本質なのかな、戦争も原発も人災なのに天災のように受け止めてしまうところ。第二次大戦だって、死んだのは仕方がないんだ、とりあえず弔って、生き残ったものでまたやっていこうみたいな。なぜ死ななきゃならなかったのか、誰が殺したのか追及しない。原発事故があっても、止めようの声が大きなうねりにならない。水に流す。民主主義なるものが、この国に合わないのかなあと疑っちゃう」

 どっかの大国は「民主主義」をせっせと輸出しようとしてほとんどどこでも失敗して、輸入先は内乱という大出血を余儀なくされているが、それには我関せずだ。これが民主主義の国のやることか。結局、兵器売りたいだけのことだろうといいたくもなる。

【追記】上記最後に関連して、2021/11/18JBpress Premium:福島香織「習近平に「古い友人」と呼ばれてしまったバイデンの胸の内:米中首脳オンライン会談、主導権を握り台湾問題で威嚇する習近平」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67767)が面白かった。

 習近平は、次のようなロジックで米国の民主主義の押し付けを非難した。以下、引用。

 「中国は世界に自分のやり方を押し売りしようとする気持ちは全くない。むしろ我々は各国が自国の国情にあわせた発展の道を探すようにずっと応援してきた」

「文明は豊富で多彩で、民主も豊富で多彩だ。民主は1種類の決まった産品ではなく、全世界も1つのモデル、1つの規格ではない。もし、民主のモデルが違うからといって排斥されるならば、その行為自体が民主的行為ではないのだ。我々は相互に尊重することを基礎として人権問題について対話することを望んでいる。人権問題を借りて他国の内政に干渉することには賛成しない」

 このロジックは、「イデオロギーの利ザヤ」という危ういものだ。異なる意見を主張する自由がある民主主義は、民主主義を破壊する言論を封じることができない。それをしようとすると、民主主義の原則に反すると反論される。民主主義を破壊する言論の自由も認めざるを得ないので、必ず分断や対立が起きる。それが、民主主義を破壊しようとする者が、だから民主主義はダメなのだ、と批判する根拠になる、という矛盾がある。

【付記】2021/11/22午10時-11時15分に、NECO-HDで映画「太陽の蓋」(2016年作成)を放映している。ここでの悪役の力点は民主党政権の首相官邸ではなく、情報秘匿に走った東京電力に置いていて、私的には妥当と考えている。

 ついでに言っておくと、民主党政権のちぐはぐさの一因は、日本の各省官僚たちのサボタージュという一面もあったことを、誰も指摘していないようだが、十分想定して状況を再検証すべきだと私は考えている。

 いずれにせよ、2011/3/11はすでに10年前の過去のことになり、それでなくとも忘れやすい性向の日本人は、当事者以外はもはや忘却して日々の生活に呻吟しているのである。そして原子力発電再稼働への道を進むのだ。

 ついでにひと言いっておくが、当時マスコミが流布していた「水素爆発」って、結局は原子炉爆発であり、メルトダウンという現実を言葉で逸らそうとした東電の策略に乗っかってしまったわけだ(パニック防止のためという言い訳、西部劇の本場じゃあるまいし、ねえ)。こういうときのアメリカの自国民退避対策は素早く、ちゃんと現実を踏まえていたのはすばらしい。それにひきかえ・・・

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季節はめぐり・・・:パンブリアコーネ注文の時期がきた

 イタリアのクリスマス季節のドルチェの中でも、私はBONCI社のPanbriacone(酔っ払いのパネトーネ)が大好きである。これはパネトーネにパッシートワインをたっぷりしみこませたドルチェで、現役時代からゼミ生や事務方にもふるまってきて大好評だっただけでなく、我が家でとかく意見が相違する奥さまもご納得の逸品なのである。

 現在では450gしか輸入されなくなってしまったが、昔は800gの大きさも輸入されていて、現役時代はまあそれくらい量があっても1つでは足らなかったが、リタイア後は450gでもいいかという感じで一個頼んで(金欠という事情もあります)、毎年それで後悔して追加注文するもすでに売り切れ、という体験があり、先もないことだし、ここは畢生の一大決断をして今年は2箱先ほど発注したのでありんした。

 皆様も騙されたと思ってお試しあれ。

この写真じゃ普通のパサパサのパネトーネ風で、パッシート入りのしっとり感が出ていないのはどうしたことか

 実は、この時期、毎年注文しているものがもうひとつある。それは「西条柿」。勝手に、亡き母の故郷の広島県西条あたりの産地名だったんだろうなと思っているが、現在は鳥取や島根あたりで収穫されていて、これは渋柿なのだがビニール袋に包まれて届き、その中でドライアイスで渋抜きされてちょっとぐにゃとなったころ甘さが出てきて食すわけだが、当方耄碌が進んだようで、今年来た箱を開けてちらっと見てなんだか少ないな、大事に食べようと思ったのはいい心がけだったのだが、実は2段になっていて、下の存在に気付いたときはすでにべちゃべちゃ状態となっていたので、冷凍もままならず・・・。

 我が嫁さんはベチャはお嫌いなので、まだ若干渋味の残っている届いたころのをお裾分けしたわけだが、さて10個ほど発掘したべちゃべちゃ、どう処理したモノか。私はゼリー状のベチャのほうが大好きだけど、一日2つ食しても追っつかないという仕儀に至っております。試しに寒天に入れてみたけど・・・そっちはあまり食欲わかないので、まだ食していませんが、さてさて・・・

最初は左のようなごく普通の柿ですが、右のようなベチャになると皮近かまでスプーンですくって食べるわけ

 こっちは干し柿もあるようですが、それは試したことはなく、私はもっぱら生食です。

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世界キリスト教情報第1608信:2021/11/15

= 目 次 =
▼フランス司教協、司祭の性的虐待報告受け教会統治の刷新図る
▼フランス、数十年ぶり原発新設を再開へ
▼米軍、民間人の犠牲隠蔽か=2019年シリア作戦
▼黒人初の米国務長官パウエル氏葬儀、「ワシントン大聖堂」で
▼古代の「二日酔い対策」指輪か、イスラエルで発見=米メディア「CNN」

 今回は、最後のを紹介する。でも「かもしれない」のかあ。
◎古代の「二日酔い対策」指輪か、イスラエルで発見=米メディア「CNN」
【CJC】米メディア「CNN」が伝えるところでは、生卵とブラッディー・メアリー(トマトジュースを使ったカクテル)は二日酔いを治す現代の対策と言えるかもしれないが、考古学者がイスラエルで発見した過去の解決策は全く異なるものだった。金と紫水晶からできた指輪だ。
 イスラエル考古学庁(IAA)によると、イスラエル中部ヤブネで、ビザンツ(東ローマ)帝国時代の最大級のワイン醸造所として知られる跡地から古い宝石が見つかった。考古学者のアミル・ゴラニ氏はIAAの報道向け資料で、紫水晶は飲み過ぎたときの悪影響を防ぐために身に付けられていたかもしれないと語る。
 ゴラニ氏によると、紫水晶は他にも多くの効能があると信じられていて、聖書にも記述される宗教的なつながりもある。同氏は、5・11グラムの重さがあるこの指輪は「裕福な」人物のものだったと推測し、「この宝石は地位と富を示す物だった」「このような指輪は男性、女性、どちらも身に付けることができた」と語る。□
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新年からの新・輪読会のお知らせ

 以下のメールに連絡いただいたら、詳細をご連絡します。k-toyota@ca2.so-net.ne.jp

① エウトロピウスの再読が一応終わりましたので、しばらく休んでたぶん正月明けから、次回は初期中世に書かれたローマ司教(教皇)伝のLiber Pontificalisを読む予定です。隔週になるでしょう。

 現在のところZoomでのオンラインでやってますので、場所代もかからず無料です。いっしょに読もうと思う方は気楽にご参加ください。

② 本来キリスト教関係の読書会でしたが、こちらは対面でやるので、場所代とかがかかりますが、同様に正月明けに始める予定(それまでにクリスマス会したがっている人もいます)。隔週で、場所は四谷駅近くのイエズス会岐部ホール。

 今回のテキストは、キリスト教登場の背景を知るべく、アルベルト・アンジェラ(関口英子訳)『古代ローマ人の24時間』河出書房新社、2010(原著・2007年:文庫本あり)になるでしょう。本当は文庫本が出版予定されていた『古代ローマ人の帝国』上下(ハードカバー『古代ローマ帝国:1万5000キロの旅』、2013[原著・2010年])だったのですが、どうやら出版中止になったようなので、文庫本ある上記のほうになるでしょう。

③ 月1の、我孫子読書会では現在対面で(よって有料)、堀賀貴編著『古代ローマ人の都市管理』九州大学出版会、2021を輪読中。次回のみ、11/29(月)14:00より2時間、「我孫子近隣センターこもれび」で開催予定です。

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「レディ・サピエンス」を見た

 いつものようにいきあたりばったりで偶然、NHKの「コズミックフロント」を途中から見て、大いに触発されて、すぐにオンデマンドで220円払って全部見たが、そこでの方法論がとても面白かった。

 西ヨーロッパで旧石器時代の洞窟で壁画や人骨、石器などが発見されだした19世紀、研究者にも当時の世相が色濃く反映されてしまい、狩猟は男性、女性は採取と出産と子育て、という認識が深く根付いていて、出土物が狩猟関係だとそのそばの人骨は男性と安直に判断されてきたのだが、最近の精査でそれが覆される例が出てきたという。すなわち、狩猟にも女性が参加していたこと(南北アメリカ大陸では30%は女性だった由)、その裏打ちとして授乳期の終わったあとの子育ては祖母が担っていたので、女性も狩りに出かけることができたし、骨の分析から投槍したら骨に刻まれる傷が女性にも見られることが根拠に挙げられ、当時の食料カロリー比率の9割が採取による植物・魚介類によって維持されていたので、集団の中で女性の役割は高く評価されざるをえなかったはずだ(ここまで言われると男は何してたんだ、と思っちゃいますが、やっぱ採取もしてたのかな)、といった見解が次々と紹介されていく。

 壁画を描いた旧石器時代の芸術家も「二本指の法則」(男は人差し指より薬指が長いが、女は同じ)に従って再調査してみると、女性の手形が確認され(え〜せっかくの仮説の腰を折るようで申し訳ないが、どうやらうちの妻は男が勝っているようでして:というより、この法則、もともと別の内容だったような。https://www.yamacomi.com/7695.html)、

フランス、1922発見のベッシュ・メルル洞窟の手形の4分の3は女性のものと放送で言っていたが、そんなばかな

また、洞窟の足跡をアフリカ狩猟民のプロに鑑定してもらったら(餅は餅屋というわけで、この辺の着眼点おおいに愉快ではあるが)、女性や子供のそれも確認され、こうして従来の見解は修正されざるをえなくなった、などなど。当たり前のことだが、手型にしろ足型にしろ漫然と眺めている限り、突破口は開けないというわけで、このあたりおおいに自省しておきたい。

フランスのアルデーヌ洞窟には8千年前の足跡が600以上ある由

 要するに、狩猟採取時代において、これまで言われてきたほどの男女の性差による役割分担はなかった、というわけである。出土物で勝負するのが考古学なのだが、昔から、一見資料に基づいているようで、ある場合は論証が飛躍しすぎで、仮説の多くは研究者の着想で大きく左右されている印象が私にはあるので、今回も全面降伏するには至らないが、中にはそういう狩猟が得意な女性もいただろうし、絵が上手な女性もいただろう(しかし現代同様、みんながみんなそういう才能を持っているわけではないだろーぜったい)、というごく例外的な部分修正がいいところだと思ってしまうのだが(番組は逆の意味で時代に迎合しすぎ)、これでよろしくないのだろうか。NHKさん(というか販売元、今回はフランスの番組製作会社さんか)、売らんかなと、いつもながらセンセイショナルな構成にしすぎているような。ゲストの日本の考古学者それを是正すべきだけど、ま、できないのだろうな、NHKに忖度して。

【追記】その後、妻を含め指を見せてもらった女性3名は、みな薬指の方が長かった、のはなぜ。仮説崩壊じゃないの。

 なお、同様の女性狩猟者・戦士の存在については、2020/11/10にも触れておりました。

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映画「櫂」をみた

 宮尾登美子の自伝的小説『櫂』原作の映画「櫂」(1985年、五社英雄・監督)をWOWOWプラスで見た。再放送は、11/17, 27。

 時代背景は大正から昭和にかけての高知で、女衒(「ぜげん」と読む:女性を遊廓など、売春労働に斡旋することを業とした仲介業者)の富田岩伍の妻喜和の一生にまつわる男女の愛憎劇なのだが、たとえば岩伍の人買いは「人助けにもなるこっちゃ。世間が悪いがや、貧乏が人の心まで腐らせる」や、遊郭「大貞楼」の女将(「おかみ」と読む)大貞の「男が妾の一人や二人囲うのは勢いや、小娘やなし、おなごの悋気(りんき)は女の恥やで」といった言葉は、当時の貧乏人の悲惨な生活ともども、100年経った現代では一般にはもはや想像もできないだろうが、似たような状況はしっかり現存しているわけである。病弱で忍従の、しかし強情な妻役に十朱幸代ははまり役だった。

 100年で認識はここまで変わり、しかし現実は何も変わっていないのである。ニッポン放送で岡村隆史は「コロナが明けたらなかなかの可愛い人が、美人さんがお嬢やります。お金を稼がないと苦しいですから」と放言しながら、NHKのちこちゃんを降ろされるわけでもないという現実もある。妙なもので、昔だったら速攻で降ろされていたのじゃないのかな。

 若い人にも一度はみてほしい映画だ。

【追伸】今日は今日とて同じ五社英雄監督の「吉原炎上」(1987年)を見てしまった。時代背景は明治最後の数年間である。これは内容の深みよりも映像美に走っている感じ。

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世界キリスト教情報第1607信:2021/11/8

= 目 次 =

▼仏司教協、児童虐待で教会の「責任」認める

▼教皇、バチカン行政責任者に初の女性任命

▼11月の教皇の祈りの意向「うつ病に苦しむ人々のため」

▼「胎児の死亡待つしかない」=中絶禁止のポーランドで妊婦死ぬ

▼韓国のヨイド純福音財団「平壌の病院建設再開」

▼ガス管の敷設工事現場から2000年前の墓地遺跡=ペルー

本日は、2番目の記事を紹介する。

◎教皇、バチカン行政責任者に初の女性任命

【CJC】バチカンは11月4日、「教皇フランシスコが、バチカン市国行政庁長官にラファエラ・ペトリーニ修道女(52=フランシスコ会)を任命した」と発表した。行政庁長官に女性が任命されたのは初めて。  行政庁長官は、バチカン市国の首長である行政庁長を補佐し、行政全般を総括するポスト。年間600万人が訪れるバチカン博物館をはじめすべての組織運営の責任を負う。慣例的に司教が事務局長を務めてきたが今回破格の人事が行われたと、バチカン・ニュースは伝えた。

 ローマで生まれたペトリーニ氏はローマのルイス大学、聖トマス・アクィナス大学を卒業した後、2005年から教皇庁内の海外布教業務を担当する福音宣教省で働いてきた。聖トマス・アクィナス大学教授でもある。□

 本当に遅ればせながら、修道女の登用である。一般信者の登用はいつのことになるのやらであるが。

 1番目の記事について、感想を。カトリック教会では信者全員(聖職者、修道者を含める)に定期的な告解(ゆるしの秘跡)を推奨している(年に最低一度を義務化)。しかし、フランスで過去70年間に数十万件の児童虐待がおこなわれたことを踏まえるなら、聖職者が率先してその効果を毀損してきていた事実が明らかになったわけである。なんともはや、と慨嘆してみても、そこで問題になっているのは児童虐待のみであるが、ここでは触れられていない他の問題行動だって山ほど発生してきたことは想像に難くない。まあ、それほどに性的問題は人間性に深く固着しているのである。批判するのは簡単だが、連れて来られた姦通女に対して「罪なき者、まず石をなげうて」とは、ヨハネ福音8.7に出てくる言葉であるが、こう言ったイエスが「私もあなたの罪を定めない」と言うのは理解できても、「もう罪を犯してはならない」と続けているが、絶対そうはならなかっただろうな、とは人生行きついた老書生ゆえの感慨であろうか。

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最近の発掘報告等若干:オスティア、エルコラーノ、Civita Giuliana

 このところちょっと学会発表とかで立て込んでいて、万事他が疎かになってましたので、落ちはあるでしょうが、まとめて掲載します。

1)10/7:トルコの旧ニカイア(現イズニック)のネクロポリスから後2世紀の石棺2つの中からミイラ化した骸骨発見。ここからはこれまで計6つの石棺が発見されていた。

 実は今回発見されたものは両方ともエロスが描かれていて、その1つは以前盗掘を受けていたらしい(2008年に遡るペットボトルのキャップが見つかっている由)。そちらからは女性と男性の骨格が発掘され、未盗掘の方は一人の女性が見つかった。

 2019年発見のものからは「アスティリスが母ニグレニアと自分のために造った」とギリシア語で碑文があり、内部には2人の女性の骸骨が入っていた。床には後4-5世紀頃のモザイクが張られていたので教会だったことが判明。

 ということで世紀は前後するが、異教とキリスト教が同所から出土したわけである。

https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2021/10/two-roman-era-sarcophagi-found.html

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2)10/15 アウグストゥスからコンスタンティヌス11世までのローマ皇帝は175人の男性だった(自力で統治しなかった皇帝は除く)。それを、研究者は地震などの現象での80/20ルールに生存率が従っていると結論付けた。

 帝国西部の69名中自然死した者は24.8%、残りは戦死・宮廷陰謀死だった。175名全員だと非自然死は30%。

 また、皇帝死亡の時間分析から、即位時が高いこと、その後、在位期間が13年になるまでは低下するが、その時点で急激に上昇し、その後再びリスクは低下する。

 13年目の危機の原因はまだ答えがでていないが、こういった統計分析が歴史研究の重要な補完となりえることは確かであろう、と記事は結んでいる。

https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2021/10/only-one-in-four-western-roman-emperors.html

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3)10/17:エルコラーノから新たな骨格が出土。40-45歳の男性遺体が火山岩の中から発見された。その回りからは組織や金属の痕跡も見つかっているので、今回発見された人物のバッグ、仕事道具、あるいは武器や硬貨などではないかと想定されている。

            写真で、遺骨の先端が切断されているのは発掘時のものだろう

 ヘルクラネウムは町としてポンペイよりは裕福だったが、ポンペイの場合熱せられたパーミスpumiceという小さな軽石が降り注いだのと異なり、ウェスウィウス火山からまず500度の火砕流で襲われ、その後溶岩泥流で密閉されたので、発掘は一種の硬く締まった溶岩を掘削しなければならず、一層困難である。ただその代償として、2階建てはそのまま出てくるし、木製部分は木炭化して出土してくれるわけである(ポンペイの場合、上階部分は軽石の重みで崩壊し、木製は完全に蒸し焼き状になって空洞化してしまう)。

https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2021/10/new-skeleton-find-could-reveal-more.html

2021/12/2により詳しい紹介が、頭部まで露わになって、そばから出てきた袋の中身までも、ちょっと残酷な写真ともどもなされた。少しづつ慎重に発掘が進んでいるのだろう。http://www.thehistoryblog.com/archives/date/2021/12

 以下はその頭部付近の写真:

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4)以前、ローマ時代の儀式で使用されたと思しき戦車がこれまでにない保存状態で出土したCivita Giulianaのヴィッラから(2021/2/28報告)、今度は奴隷が居住したと思しき納屋が発見された。

、発掘完了区域      、今回発掘の納屋の状況

 これまで奴隷の居住区については仮説以上のものは発見されていなかったが(彼らの作業空間で寝泊まりしていたか、家内奴隷の場合は、仕えるご主人様の寝室の床に寝ていたのが普通とされてきた)、今般の発掘で大人用の木製ベッド2つと子供用のそれが1つ、そのほか日常品も出てきたので、その部屋は奴隷一家(法的建て前では、基本奴隷は結婚はおろか家庭を営めないことになっているが、この場合は実際よくあった繁殖事例ととるべきか、ベッド2つが夫婦の男女の存在を示しているわけではないと考えるべきでしょうね)の居住家屋と発掘者は考えているようだ。私は力点を置き換えて納屋に奴隷たちが住んでいた、とまあ微妙な違いに過ぎないが、そう考えているが、家内奴隷の常態解明に大いに役立つ出土には違いない。

https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2021/11/slave-room-discovered-at-civita.html

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5)東京を留守にしている間にイギリスから展示会のカタログが送られて来ていた。現在ローマのカピトリーニ博物館で展示中のトルロニア博物館所蔵品である(2020/10/14-2022/1/9)。Ed. by Salvatore Settis & Carlo Gasparri, The Torlonia Marbles:Collecting Masterpieces, Electa, 2020. もちろんイタリア語版もあるし、短縮版もある。

 この博物館は逸品を所蔵しているが現在非公開で、その中に私的に見逃しがたい1864年ポルトゥス出土の港湾風景のレリーフがあって、もちろん公開中に見ることできそうもないわけだが、その一葉ほしさに発注した。もちろん郵送料込みでいい値段だったが、生涯ない、もとえ、しょうがない。予想通りとはいえ、pp.175-178に解説と見開きでの写真が一葉載っているだけだったが。画像そのものはググればいくらでも手に入る。以下のごとし。このレリーフには港湾関係以外にも、なぜか4頭の象が曳く戦車も登場するかと思えば、唐突に邪視も登場する。ちなみに中央上部の灯台の炎や、左の大型船の帆の裏側の人物とかで明白なように、もともと色彩も施されていた。あれやこれや図像の詳細な謎解きは優に卒論に値すると思うのだが、誰かやらんかい。

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よくある勘違い:最初の政党内閣原内閣

 歴史上の出来事って、そこら中で勘違いがまかり通っているのは事実である。凡夫はいつまでも刷り込まれたイメージに固執しがちで、新事実に触れても結局は旧説に舞い戻る思考回路は常に強固・健在なのだ。そして研究者とて世の凡夫なので、例外とは言えない。私のような老害の場合はもっとひどい。なにかの誤報も入り込んでしまっているのだから。

 本日偶然眼にとまったのが以下。「憤然と議場をにらむ原敬:写真が語る「平民宰相」の理想と苦渋」(https://digital.asahi.com/articles/ASPC562BQPBXDIFI00B.html?pn=22&unlock=1#continuehere)。

 一般には原敬は山川の教科書で学んだ最初の「平民宰相」であり、私的には日本で初めてのカトリックの洗礼受けた宰相ということになるが(青年期世に出るための処世術としてではあれ)、それはさておき、原の老獪さが現在の国会議事堂に明確に表されている(今回の記事の第3回ではまだそれが匂わされているだけだが:第4回を期待したいが、さていつになることやら)、という視点は斬新だった。

 原について何が勘違いなのかについては、詳しくはデジタル新聞をお読みいただきたいが(但し有料)、この場合でも、本当の「最初」ではなく、従来の失敗例を勘案して集大成したからこその疑似「最初」なのである。それがいかにも最初として世に喧伝され、結果広く受け入れられちゃうわけで、全く間違いでないにしても不正確には違いない。

 私の研究分野でもコンスタンティヌス大帝がまさにそれで、細かい実証や分析とかに血道をあげているはずの専門研究者でさえ、本来の「最初」と疑似「最初」の区別もつかない者は欧米研究者においてこれまでほとんどだし(いわんや、その輸入に勤しんでいる我が国の皆様も)、現在もそうだし、これからもそうなのである。

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世界のトイレ事情紹介記事

 参考までに。たまたま見つけた記事です。2年前の情報。「日本人が海外でやりがちな「トイレ」でのNG行動」(https://tripeditor.com/359132)。

 最後にイタリアが出てきますが、便座がない場合、まああれは中腰でやるしかないでしょうね。

 それと路上なんかの有料の公衆便所は用心したにこしたことはない。というよりやめたほうがいい。壊れていて入れない、入れても出れなくなる、用が済んでも水が流れないなどなど。私は最後の件では、ナポリの国立美術館近くの地下鉄に向かう地下の若干安すぎる有料トイレで遭遇しました。ええ、もちろんそのままとんずらしましたよ。

 ともかく、だれか一緒でないとやばいです。有事の場合、外で見張っていてもらわないと、文字通り長時間の雪隠詰めになる危険性が。

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