逆さ地図の効用:飛耳長目(17)

 昔、イギリスが中心に位置した地図をみたときの衝撃を思い出した。真ん中を大西洋が占め、その両脇に南北アメリカとヨーロッパやアフリカが位置しており、当時の政治・経済を考える上で、なるほどと思わされたものである。それだと日本は文字通りFar East、地図の端で、太平洋はなくてもいい存在となり、端折り気味となる。

 オーストラリアから見た逆さ地図も見たことあるが、それはまあご愛敬程度。

 そして最近おおなるほどと思わされたのが、中国から見た逆さ地図である(正確には逆さではないが)。かつて防衛白書だっけにも登場したと、どこかで読んだ記憶がある。

 これだと、四島の日本列島のみならず、沖縄諸島から台湾、フィリピン列島を連ねて、まさしく中国にフタをしているのが一目瞭然なのである。

 こういう視点だと、私でも、日本の存在が鬱陶しく映らざるをえない。そりゃ、太平洋への突破口を開きたくなるわな。わが背後には米国の第7艦隊がいてにらみを効かしているのだから、なおさらである。かくの如く視点を移動して国際情勢を考えてみるのも一興といえる。

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