インパール関係のNHKスペシャルを見た

 8/15深夜と夜、2回連続でインパール関係でNHKスペシャルがあった。「戦慄の記録 インパール」(2017/8/15)、「ビルマ 絶望の戦場」(今回初回:再放送、8/17NHK総合1・東京・午前2:37−3:38)。

 もちろん日本軍兵士にとって悲惨な出来事だったわけであるが(友軍内での盗みはもちろん、人肉嗜食も登場)、私に示唆的だったのは、後者の中での、イギリス第14軍司令官 Wiliam Slim の言だった。

William Slim  (1891-1970) :彼は苦学して軍人となった苦労人で、グルカ連隊他の混成軍を育成・統轄しえた。最終階級は元帥、子爵受叙。小説も書いていた由。実に興味深い人物だ。ところでこの写真の帽子、ひょっとしてグルカ帽?

 「日本軍指導者たちには、根本的欠陥があるように思える。それは道徳的勇気の欠如である。彼らは自分たちが間違いを犯したことを認める勇気がないこと、計画が失敗し練り直しが必要であることを認める勇気がないのである。」

 彼の場合、現場指揮官に権限を委譲して、それが成功に結びついた由であるが、日本軍の独断専行とどう違っていたというのか。結局は責任の取り方が違っていたのだろうか。

 いわゆる陸軍士官学校出や海軍兵学校出の軍人エリートたちで司令官(中将)や連隊長(大佐)や参謀(少佐)に登り詰めた人が、なれ合いでの立身出世や料亭での芸者遊びの接待に明け暮れたたかりと忖度野郎だったということか(もちろん例外もいる)。しかしこんな上官を持った兵は災難である。あれこれ憤懣を書き残しているのは学徒出陣で若くして最前線で散華させられた文系の大学生(少尉)だったりする。

 8/14夜には同じくNHKで「沖縄戦孤児」を見た。この再放送は、BS1 スペシャルで、8/18午前9:00−10:50

 同じくBS1スペシャルで、「戦火の中の僧侶たち:浄土真宗本願寺派と戦争」が8/20(土)21:00−21:50に放映予定。鵜飼秀徳『仏教の大東亜戦争』文春文庫、2022/7/30、に関連している内容と想像。もちろんこういった戦争協力は仏教界に限ったことではなかった。キリスト教とて同じだったのだ。

【追記】責任回避根性は、なにも旧日本軍の将官に限られたものではない。

 2022/8/24:玉村治「一度決めたら変えられない 日本で続くコロナ対策の失敗」(https://wedge.ismedia.jp/articles/-/27682?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=20220824)

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