プーチンご乱心を憶測する

 昨夕、娘から電話があった。夕方に私の妻と会う約束があって、妻の出先に行ったのだが、おかしい、記憶がない、今日は何日かとなんども聞く、アルツハイマーになったのでは、と。

 妻が我が家に帰り着くまでに、「突然記憶がなくなる症状」をぐぐってみたら、お医者さんの診断が掲載されていた。どうやら「一過性全健忘」という症状らしい。突然、最近の記憶能力が失われる症状で、だが最長24時間もすれば自然に回復し、再発は1割程度、原因は不明だが、記憶を操る海馬への血流が何かの拍子に滞ってしまうからでは、と。逆行性だと過去の記憶すべてが失われるのだが、これはそれではなく先行性だそうで、ごく最近の記憶の蓄積ができないのだそうだ。ウェブ情報では、この症状、男性の4,50代に多いという情報と、まったく逆に、女性で60代に多いとする情報があり、また過度の飲酒や薬物投与,ストレスなどなどが引き金になっている由。

 帰宅した妻は、家を出てからの記憶がないので、ケータイを見てばかりいる。そして今日は何日と同じことをそれこそ2、3分毎に聞き続ける。さっきも17日と言ったよ、といってもすぐに忘れて同じことを聞くのだ。ただ逆行性でない証拠に、私が夫であることとか、名前とかは覚えている。だから迎えに来た娘一家をちゃんと認識できていたわけだ。昼前に家を出てからの記憶がすべて飛んでいて、娘たちに会った時までなにをしていたのか記憶にないのだそうで、それを聞いて、もし出先を出るときに娘たちに会わなかったら、迷い子になっていたかもしれない危うい状況だったのだ、と気づいた次第。

 一夜が過ぎて朝目覚めた時に、わざと「今日はなんにち」と聞いてみたら、ちゃんと「18日」と答えるではないか。本人はけろっとして職場に向かった。ウェブ情報通りで一安心だが、ただ、孫娘が心配して居残ってくれたのだが、彼女が泊まっていることは覚えていなかった。だから家を出て電車とバスに乗って以降の丸々6〜12時間くらいの記憶が欠落していたことになる。

 実は今から40年前に妻の妹の夫がそのような状況に遭遇して迷い子になって、帰ってこれなくなったことがあった。しかし翌日だっけに実家の方に電話がかかり、だけど無言なので(手帳にその番号が書いてあったので試しにかけてみたのだろう)、これはおかしいひょっとしてとお母さんが気づいてその場所を動かないでと言って、迎えにいって連れ戻ったのだが、私はそんなことがあるのか、とその時は納得できる状況ではなかったが、今だと十分理解できる。

 それで思うことがあった。先般のロシアでのワグネル反乱時における不可解な成り行きについて、どうやら不可思議なプーチン政権の判断停止状況があったわけだが(「プーチン氏「まひ状態」ワグネル反乱、対応できず」:https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/337609)、ひょっとしてその時プーチンをそのような症状が偶然襲っていたとしたら、どうだろう。一過性だから最大24時間で回復するので、何ごともなかったようにその後も執務できるわけだが、先行性記憶喪失による空白の12時間とか24時間に、それが淡々とした日常であれば「今日の彼はちょっとおかしかったなあ」で済むところ、偶然その時に一大変事が生じたら対応不能となるわけである。彼くらいのストレスだったら発症原因には十分なりえるだろう。

 歴史事象にそのような偶然を持ちこむのは、プロにあるまじき安直な態度とされるのが普通であるが(よく引き合いに出されるのは、ナポレオンが戦いに際して水虫を患っていたので負けた、といった例である)、事実は小説よりも奇なりで、そういう偶然がたまたま生じる可能性を排除すると、かえって真の原因を見失って迷路に入り込んでしまう場合もある、と私は思わざるをえないのである。

 今、某読書会でマキアヴェッリ『君主論』を読んでいるが、その中で、成功する君主はそれなりの力量と時機を得た運がついていると論じており、父アレクサンデル6世の後ろ盾を得て、一代の傑物だったチェーザレ・ボルジアは破竹の勢いであったが、父子ともども熱病で倒れ、父が没した後、彼がまだ病床にあったとき、不運にも教皇ユリウス2世に捕らえられ、没落ヘと追いやられた。こうして彼から運命の女神は飛び去ったわけであるが、彼が病床になければまったく違った歴史になったかもしれないわけである。

【後日談】翌日、出先で妻がどうだったか電話で問い聞きしたら、ごく平常でちゃんと発言して役目を果たしていた、その場には別の医師や看護師たちもいたのだが、誰ひとり異常を感じた者はいなかった由である。妻には未だその時の記憶がまったくない。妙なものである。

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コロナ接種第6回目

 8/26から3週間ほどイタリアに行くので、よくわからないまま第6回の接種をしたのが月曜日。それから2日経つが、とても眠たい。それも副反応か。今日の日中は風があって過ごしよかったが、夕方になって湿気が出てきたようだ。

 日本を出るときに問題はないが、帰るとき、出先の空港で航空会社によって自己規制なのだろうか、色々対応が違うようで、お役所が何言ってても信用できない。3月のときは、イタリア・エアラインだったが帰国時に搭乗手続きの時みな引っかかっていてえらく時間がかかる、なんだろうと思っていたら、要するに横文字で書かれた接種証明書を見せろと。それがなかなか言葉的に通じないわけで。

 なんでイタリア航空側がそれを気にするのか分からないまま、日本についたら、ケータイで黄門様風にVisitJaspanの登録見せておわり。なにやってんだか。

 イタリア航空といえば、日本出るときすんでのところで詐欺的行為に合いそうだった。搭乗手続きのとき窓側だったので通路側を要求したら、日本人の係員が場所によって値段違うがお金要りますと。安くて30ユーロだったので諦めて機上してみたら、ガラガラ状態。乗客は3分のⅠくらいだった。係員のこの対応は、やたら腹立たしいものだったが、どうせ経営者に言われてのことだろうが、機内乗務員も日本人はいないし、本格的食事は1回のみで、経費節減があきらかな感じだったなあ。

 今回はトルコ航空。さてどうだろうか。

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右手人指し指の異変:2023/7/12

 このところ、なんかの折に痛みを感じる。これが骨粗そう症でいずれポッキリなんてことにならねばいいが。いや、指に気をとられていて、立ちあがるときに手首に体重かけたりしてポッキリいくことありそうな。

 ここ数日、視力が落ちた気配もするしなあ。

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小イワシ不漁情報、ああ

 私の帰省の楽しみのひとつは「小イワシの刺身」なのだが、いつの間にか、禁漁の時期が設定されていて、今年も6/12に解禁となったのだが、中国新聞デジタル情報(7/12)によると小イワシの収穫量が例年をかなり下回っているという。「小イワシ不漁、広島の夏の味覚ピンチ 市場取扱量は過去10年で最少 卵や稚魚は例年の1割以下」https://www.baruforum.net/wp-admin/

 私は8月上旬に帰省する計画を立てているのだが、二割高だろうが三割高だろうがそれ抜きには夏はおわらないのだ。

 「市中央卸売市場が6月に扱った小イワシは43トン。これまで過去10年で最少だった2021年6月の64トンよりも約3割少ない。最多だった17年の100トンと比べると半分にも満たない。」

 2017年どころではなくて、多分それ以前に、東京で通販で小イワシの刺身が入手できていたのだが、それには三重県産とか富山産と書かれていた記憶がある(今はなくなっている:さっき調べたら、なんと大竹市のふるさと納税の商品になっているのを見つけた。さて、150gで11000円は高いかどうか,不漁だったらグラム数減るのだろうし:https://item.rakuten.co.jp/f342114-otake/26041467/)。確実に海の潮目が変わってきている。

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なんだか不気味なアクセスが・・・

 私のHPのほうのブログの統計をみていると、このところなぜか海外からのアクセスが記録されるようになっていて(実際はこれまでもアクセスあったけど、知らなかっただけだったわけ)、まあ日本人の留学生がいそうな国は納得できるけど、かつて2018-19年にかけて「米領サモア」からかなりアクセスあって、このあたりは、不気味。いつか国際弁護士からのメールくるかもと、ちょっと緊張。中国も気になるなあ。

 以下が本年中の、すなわち半年間の総計。

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「週刊朝日」休刊

 実は私には全然固執感はないのだが、2023年5月末日で「週刊朝日」が休刊となった、ことを知人からのメールで知った。休刊とはいえこれは事実上廃刊であろうが、101年の歴史に幕を下ろしたことになる。インターネット時代になって、週刊とか月刊はもとより、毎日発行されている新聞すら情報発信の速度に対応できなくなってきている現在である。

 私の人生にとってより身近だったのは、1959年発刊、1992/5/29に休刊した「朝日ジャーナル」のほうであったが。私はこれを大学入学間もなく、高校時代の同級生に「大学生になったらこれくらい読まんとな」と、丸めて持っていたそれを示されて、そんなもんかと思い、家で朝日新聞を購入していたので、母に願って定期購読し始めたのが1966年のいつごろだったろうか、最初は書いてあることがちんぷんかんぷんで、読者の投書欄くらいしか理解できなったが、徐々に読める記事が増えていき、さて、もう斬新な情報が載っていないなと思い出して講読をやめたのはいつごろだったのか。遅くとも就職して実家を離れた1978年までのことだったのか、それとも休刊までずっととっていたのか、今となっては記憶は曖昧だが、以降は週刊朝日を購入しだし、たぶん上京してからはそれもやめて、週刊新潮や週刊文春を時々買う用になったのではと思う。もはや人生で見るべきものはあらからみたというわけで、現在は床屋にいったとき、そこにあるのを見るくらいだったが、週刊大衆が遺産相続の件で特集していたのはえらく役にたった。

 こういう変化も時代の流れというか、私個人の考えの変化に即応していたのではないか、と思う。

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健康寿命

 先般、不確かな話をしていたら、それは違うといわれた。要するに私は健康寿命が切れるのはまだ先のことだと思い込んでいたのだが。家に帰ってぐぐってみると、言われたように、私はもう健康寿命をとっくの昔に終わっている、そんな年齢になっていたわけだ。まあ昨年から後期高齢者の仲間入りしていたので、当然といえば当然なのだが。

 それにしても平均寿命までもう5年を切っていたとは、我ながら迂闊だった。なにもかも昔のようにできないくなっているのは当たり前か。先般、薬もらいに行ったら、コルステロール押さえる薬をふやされてしまったが、こりゃ運動してないのにバリバリたべているのだからしかたない。なぜかトイレに座るたびに「快眠・快食・快便、これでよし」との思いが湧き上がる今日この頃。

 しかし私より、最近、妻が階段でねじったとかで足を痛めたらしいのだが、彼女の場合、健康寿命すぎて、どっと体に老化現象らしき不調が出てきているようで、ちょっとだけ心配している。

【追記】これ書いたあと、腰が突然痛くなった。下を向くとやたら痛いのである。普通の筋肉痛ではない。7月になって連日の蒸し暑さでおそらく冷房にあたってうたた寝したせいだろう(老化現象としてひたすら眠たいのである。気がついたらうたた寝してる)。月中仙を毎日、骨盤の上、背骨の両側に二枚貼って4,5日過ごしてなんとかなったが、最初は神経的な痛みがひどかった。もう何が起こっても不思議ではない。

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失明は、やっぱりいやだ、なあ

 昔から思っていたことだが、失明はいやだ。目が見えなくなるのは誰でもいやだろうが、私の場合、研究の術の大半が奪われるわけで。

 そんな私に、以下のメールが送られてきた。「数日で失明へと至る「急性緑内障」どう防ぐ? 頭痛と誤解されがちなその怖さ」。

 私はすでに左目を白内障で手術していて、そのプロセスで緑内障が発見されて、今に至るまでその治療も受けてきている。そして右目も白内障が見つかったのは昨年だったっけ、という感じだし、実際、突然目が固まってめまいがし、吐き気にも襲われるという体験も幾度もしてきているので(年に数回だったのが、最近多くなっている感じがする)、他人事ではない。私に一番近い病気のような気がしている。

 最近はパソコン見ていてめまいに襲われることが珍しくなくなってきた。

 もう無理はできない、ということか。だいたい無理しないと研究なんかできゃしないのだが。

 この記事を読みに行ったら、別の記事も眼にとまった。早川智・日本大学医学部病態病理学系微生物学分野教授偉人たちの診察室フォロー:ルネサンスの梟雄、織田信長とチェーザレ・ボルジアの精神病理」

2023年6月9日(https://mainichi.jp/premier/health/articles/20230605/med/00m/100/008000c?utm_source=article&utm_medium=email&utm_campaign=mailhealth&utm_content=20230610)

 今度、我孫子の読書会でマキアヴェッリを扱うので、尚更なのであるが、実は私の思い違いで『君主論』と『ローマ史論』を私が取り違えて安請け合いしたので、読書会で『君主論』を読むことになったのである。耄碌のゆえであるが、まあいいかと。リウィウスに依拠して『ローマ史論』書いていた最中に中断して『君主論』書いたわけだから、マンザラ無関係であろうはずはない、と考えたからだ。それに『ローマ史論』はやたら長く、ちくま学芸文庫で本文だけで650ページある。『君主論』は200ページ程度だ(が、凝り性の河島英昭訳だと注釈が150ページある)。

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トイレ話:2500年以上前の排泄物の分析

 2016年にエルサレムで、上流階級使用の石作りのトイレが発掘されていたが、今回、その下の汚水溜の内容物を分析した結果、2023/6/25に論文で、下痢を引き起こす寄生虫の痕跡が見つかった、と発表された。「ジアルジア症」というものらしい。この感染症は下痢や腹部の痛み、体重の減少を引き起こす。以前にも現在のトルコに当たるローマ時代の土地や、現在のイスラエルに当たる中世の土地で発見されていた。

 ところで私はかねて、この種の穴自体はいわゆるトイレではなく、トイレから汚水溜への土管の支持台ではないかと思っているのだが、どうだろう。

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はたしてウクライナの反攻作戦はあるのか

 このところのマスコミ情報をみていておかしいなと思っていたのが、ウクライナの全面大反攻をやるぞやるぞという情報宣伝がうるさい。普通、作戦は明かさずに不意打ちでやるのが上策のはずだが、これはどうもおかしな具合だなと思っていたら、例の田中宇氏がまたもや特異な見解、すでにウクライナは負けている、という主張を連発し出した。その主な論拠は、ウクライナ軍兵員の損耗率の高さである。https://tanakanews.com

 その当否は、やるかやらないかだから早晩明らになるだろうが、ウクライナにてこ入れしてきた側からすると、今でも代理戦争に違いないのだが、さらに長期化するとなると武器弾薬のみではなく、兵員を送り込まずにはおれなくなりかねないので(今すでに指導と称してかなり送り込んでいるはず)、そうなると戦況はいよいよ危険水域に入ることになる。ベトナム戦争の再来である。ロシア側からするとナポレオン戦争以来お得意の負けたフリして消耗戦に持ちこむ戦略だろうが、いずれにせよ種々の条件を勘案してのあやうい均衡の中で、まあどちら側にとっても想定通りに戦局が進みはしないことも自明で、双方とも織り込み済みであろう。

 虚実相乱れての情報戦をかいくぐって、我々は事実を把握するすべを持ちたいものだ。欧米側情報に完全に絡みとられてしまっている日本のマスコミはその点全然頼りにならない(というか、まったく阿呆)という現実があるが、そんなマスゴミなんかより重要な問題は政権や防衛庁中枢がどう状況を把握しているかである。これまでになくリタイア将官がマスコミに登場してあれこれ小賢しく述べているが(最近は、2024/3のロシア大統領選の前の秋に大攻勢だとか、年越してからだ、と言いだしている。これじゃあ半年もあとの大攻勢で、まるで狼少年だ)、手の内を晒した方が不利になるので、こちらもウソで固めてマスコミ同様騙されたふりして情報操作をしていると思いたいところだが、さて本当のところどうだろうか。

【追記】6/5になって、後追い記事が出た。島田久仁彦「プーチンの思うつぼ。ロシアが「もうすぐ崩壊」の偽情報に踊らされた欧米の赤っ恥」https://www.mag2.com/p/news/577388?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000001_mon&utm_campaign=mag_9999_0605&trflg=1

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