世界キリスト教情報第1635信:2022/5/23

≪ 目 次 ≫
▽教皇、U2ボノと女子教育などで見解一致
▽バチカン外務局長ギャラガー大司教、ウクライナを訪問
▽カリフォルニアの教会銃撃事件はヘイトクライム、と当局発表
▽米教会銃撃容疑者は台湾出身=地元警察が訂正
▽イスラム教シーア派組織ヒズボラ連合が過半数割れ=レバノン総選挙

 今日は、最初の2つを。それにつけても、ロシア正教とのごたごたの中で、第一回ニカイア公会議開催を記念した東西教会のギリシア正教との和合会議、2025年にはたして開催できるのだろうか。世の中、思わぬ事態が生じるものだ。
http://www.christiantoday.co.jp/articles/13426/20140603/2025-nicaea.htm

◎教皇、U2ボノと女子教育などで見解一致
【CJC】教皇フランシスコ(85)が5月19日、教皇が設立した教育進行機関「スコラス・オクレンテス」の会合に出席した。教皇は膝と足に痛みのため、会合では終始車いすに座っていた。

 「スコラス・オクレンテス」は教皇がブエノスアイレス大司教時代にアルゼンチンで設立。現在、多くの途上国を中心に世界70カ国以上に拡大している。

 ローマ大学で行われた会合では、アイルランドのロックバンド「U2」のボノ(62)が教皇に「極度の貧困と戦う上で女子教育は強大な力となる。聖下(教皇)には、気候変動危機においても女性は同様に強力な役割を果たすとお考えになるかうかがいたい」と質問した。教皇は「われわれは常に、母なる大地と言うが、父なる大地とは言わない」と答えてボノと会場から笑いを誘い、「女性は男性よりも調和について心得ている」という見解を示した。ローマ発ロイター通信が報じた。□

◎バチカン外務局長ギャラガー大司教、ウクライナを訪問

【CJC】バチカンの外務局長ポール・リチャード・ギャラガー大司教は5月18日から20日まで、ウクライナを訪問した。

 この訪問は、戦争に苦しむウクライナの人々に教皇フランシスコの寄り添いを伝えることを目的としたもの、とバチカン・ニュースが報じた。

 ギャラガー大司教は、初日、ポーランド南東部コルチョバからウクライナに入った同大司教は、アンドリー・ユラシュ駐バチカン大使と、ラテン典礼のリヴィウ大司教でウクライナ司教協議会会長のミエチスラウ・モクシツキ師に迎えられた。

 モクシツキ師の案内を受けてリヴィウ教区のラテン典礼大司教館を訪れたギャラガー大司教は、教皇フランシスコの名のもとに、ウクライナの人々と国・街の上に平和を祈り、祝福をおくった。

 リヴィウでは、ラテン典礼の大司教、ギリシャ典礼カトリックの大司教と、それぞれ会見した他、避難民を受け入れているリヴィウの小教区や修道院を訪問した。

 ギャラガー大司教は、リヴィウの州知事、市長と会見の後、首都キーウに移動。ギリシャ典礼カトリック、キーウ・ハールィチ大司教区の大司教との出会いを持った。

 ギャラガー大司教は、最終日の20日午前、多数の市民が犠牲になった、首都キーウ近郊の町ブチャ、ヴォルツェル、イルピンなどを訪れ、深刻な破壊の跡を目にした。特にブチャでは正教会の聖堂を訪問、集団墓地で祈りを捧げた。また、ヴォルツェルでは神学校が受けた被害状況を視察した。

 この後、ギャラガー大司教は、ウクライナのドミトロ・クレバ外相と会談、その後、共同記者会見を行った。大司教は、「訪問を通し、この国の傷に手で触れることになった」と語った。

 同大司教は、特に同日朝訪問したブチャについて、ヨーロッパにおいて「最も恐ろしいことが起きた場所として、残念ながら21世紀の歴史に残るだろう」と述べた。

 そして、「これは『平和はあって当然のものと思ってはいけない』という、わたしたちへの警鐘である。平和は神の賜物であると同時に、宗教や政治的帰属を超えた善意の人々の絶え間ない努力を必要とするものである。その努力がなければ、この危険はわたしたちのものとなる。ブチャはそれを雄弁に語っている」と話した。

 大司教は、「多数の死者、あらゆる種類の暴力、都市の破壊、家族の離散、非常に多くの難民」に対する教皇フランシスコの大きな悲しみを伝えた。

 「教皇庁は真の和平プロセスに協力する用意がある」と述べつつ、そのためには当事者双方からの要請が必要、と同大司教は語った。

 一方で、カトリック教会は、即時のあるいは長期にわたる人々の精神的・物質的必要に応えるよう努力している、と話した。

 最後に、ギャラガー大司教はウクライナ当局に謝意を表すと共に、カトリック教会をはじめキリスト教諸教会の平和と連帯のための取り組みに感謝を述べた。□

≪参考/画像≫◎ウクライナ・ブチャの集団墓地で祈るギャラガー大司教。バチカンニュース2022年5月20日


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